次世代の先発投手の強化が必要
ヤクルトは昨シーズンの最下位から大躍進を遂げ、今シーズンは優勝争いを繰り広げている。そんな激闘の最中、2021年のドラフト会議が10月11日に迫ってきた。昨シーズンと比べ、投手、野手ともに選手層が充実してきた印象があるが、その実情はどうだろうか。現在のチームでどのようなポジションが不足しているのか年齢分布図をもとに確認してみたい。
まず投手陣をみると、先発ではベテランの石川雅規、中堅どころの小川泰弘、若手の奥川恭伸と各世代に中心選手がいる。その他では高橋奎二が好投を続け、先発ローテーション入りを果たした。また高卒4年目の金久保優斗も成長を遂げ、前半戦で3勝を挙げている。
中継ぎ投手は抑えの石山泰稚が不振で守護神から外れるアクシデントがあったものの、マクガフが代役を務め、清水昇がセットアッパーに定着。今野龍太、星知弥、大西広樹などの投手も結果を残している。このように、今シーズンに関しては投手陣のやりくりがうまくいっている。しかし、来シーズン以降や数年後を考えるとまだまだ足りない。
特に先発投手が不足している。石川は大ベテランであり小川も31歳。次世代を含めた先発ローテーションを考えると、奥川、高橋の他にも軸となりうる投手が必要だ。左右にとらわれることなくドラフト上位で指名したい。
そして、心許ないのが中継ぎ左腕だ。今年は坂本光士郎が前半戦から踏ん張り、シーズン終盤からは田口麗斗が回しているが、通年で投げられる投手がほしい。
こういった事情を踏まえると、先発では将来の軸を目指すのであれば小園健太(市和歌山高)、来年再来年など直近の未来の軸としてなら廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)や隅田知一郎(西日本工業大)といった上位指名が確実視されている投手が候補となる。
また、左腕という観点で見ると、隅田以外では森翔平(三菱重工WEST)、山下輝(法政大)、黒原拓未(関学大)、渡邉一生(BBCスカイホークス)、石森大誠(火の国サラマンダーズ)らの名前が挙がってくる。
アマチュア時代は先発であってもプロ入り後に中継ぎへ転向する投手は多いため、現在の起用法にとらわれる必要はない。事実、坂本や中尾輝らもアマチュア時代は先発で起用されていた。