13年連続50試合登板と9年連続20ホールドを継続中
日本ハム・宮西尚生が瀬戸際に立たされている。関西学院大から2007年ドラフト3位でプロ入りして以来13年連続50試合登板、2012年以来9年連続20ホールドを続けているが、いずれの記録も途絶えるピンチなのだ。
今季は4月の月間防御率14.29と不調だったため同26日に二軍落ち。5月14日に一軍復帰したものの、本来のセットアッパーではなくリードされた場面での登板が多い。7月5日現在、23試合登板で1勝2敗6ホールド、防御率6.10。チームはすでに半分以上の日程を消化しており、単純に2倍しても50試合にも20ホールドにも届かない。
チームが最下位に沈む要因は様々あるだろうが、宮西の不調もそのひとつだろう。ストレートは平均139.4キロと速くない上、変化球はほぼスライダーのみ。時折放るシンカーは全体の1.7%に過ぎない。わずか2つの球種でプロで13年もフル回転してきたのは、変則の左サイドスローという特性と旺盛なスタミナがあるからだ。
しかし、すでに36歳。肉体的には下り坂に入っている。今まではできたことができなくなったり、抑えられたはずのボールを打たれたりしても不思議ではない。
歴代最多の364ホールド、歴代10位の756試合登板
チームが低迷しているため、あまり話題にならないが、宮西の残してきた功績は偉大だ。
通算364ホールドは歴代最多。2位が山口鉄也(元巨人)の273ホールドだから断トツだ。今年5月18日の楽天戦で達成した400ホールドポイント(救援勝利36+364ホールド)は、もちろん史上初だった。
また、13年連続50試合登板は、岩瀬仁紀(元中日)がマークした15年連続まであと2年。757試合登板は「元祖鉄腕」稲尾和久の756試合を抜いて歴代10位となった。
2017年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。間違いなく球史に残る投手の一人であり、中継ぎの地位を向上させた功労者でもある。
7月14日からシーズン中断
日本ハムは開幕直後の4月2日から最下位に沈みっぱなし。混戦のパ・リーグにあって1チームだけ置いてけぼりの状況だ。
ただ、今シーズンが例年と違うのは東京五輪による中断があること。公式戦は7月14日を最後に中断し、8月13日から再開される。各球団が非公式試合で実戦感覚を鈍らせないよう努めるが、最下位の日本ハムにとってはここが立て直す機会になり得る。
宮西としても公式戦のベンチに入りながらの修正は難しいが、体のメンテナンスやフォームの修正など、ある程度の時間をかけて取り組むことができる。
「北の鉄腕」の復活、さらに偉大な記録は継続できるか。諦めるのはまだ早い。
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