巨人・陽岱鋼は5年契約最終年、阪神・高山俊も未出場
プロ野球のペナントレースも3分の1強を消化した。今季は新人選手の活躍が目立つ一方、いまだ一軍出場していない大物選手もいる。
実績を残してきた選手も、一軍で使ってもらえなければ二軍で若手と一緒に汗を流すしかない。6月7日現在、一軍出場がないセ・リーグの主な選手を見ていこう。
巨人では2019年シーズン中に和田恋とのトレードで楽天から移籍した古川が今季はまだ一軍で投げていない。鍬原拓也は、中央大から2017年ドラフト1位で入団するも2020年に右ひじ骨頭の骨折が判明し育成契約になっている。
陽岱鋼は二軍では試合に出ているが、まだ一軍からお呼びがかからない。推定年俸3億円、5年契約の最終年だけに去就が気になるところだ。
阪神では、中日、ソフトバンク、阪神で通算100勝の中田賢一がまだ一軍で投げていない。ベテラン先発左腕の岩田稔も二軍生活が続いている。大和の人的保障としてDeNAから移籍した尾仲祐哉は救援での期待がかかるが、今季は一軍未登板。
2016年の新人王・高山俊だが、今季は二軍で中軸を打っている。佐藤輝明らさらなる若手の台頭で、活躍の場が狭まっている。2019年夏の甲子園で履正社高の4番として初優勝に貢献した井上広大もそろそろ一軍に顔を出すべき時だろう。俊介は俊足の外野手として活躍したが、年々出場試合数が減り、今季は一軍未出場だ。
中日・石川昂弥も2年目は一軍出場なし
中日では1年目の2012年に30ホールドを挙げた田島慎二が2020年4月にトミー・ジョン手術。2018年に5セーブ10ホールドを挙げた佐藤優は、2019年オフに右ひじ関節形成手術を受けた。同じ2018年に6勝を挙げた笠原祥太郎は、頻脈、不整脈の治療中。3投手ともに回復途上だ。
日本ハムの正捕手だった大野奨太は、2018年FAで中日に移籍。しかし正捕手争いに敗れ、2019年を最後に一軍には昇格していない。春の甲子園で優勝し、東邦高校から2019年ドラフト1位で入団した石川昂弥は、昨年は内野手として14試合に出場したが今季は未出場。外野手として昨年まで1093試合に出場した藤井淳志も、40歳になる今季は未出場。遠藤一星は守備の良い外野手だが、彼も今季は未出場だ。
DeNAでは、1年目に11勝を挙げてエース格となった左腕・東克樹が、昨年キャンプ中にトミー・ジョン手術を受けてリハビリ中だ。左腕のセットアッパーとして2016年に23ホールドを挙げた田中健二朗も2019年8月にトミー・ジョン手術を受けて育成枠に。二軍戦では3桁の背番号ながら救援投手として投げ始めている。
広島・今村猛、ヤクルト雄平も未出場
広島では3連覇の時代、セットアッパー、時にはクローザーとして大車輪の活躍をした今村猛が、2020年は6試合の登板にとどまり、今季はまだ一軍で登板していない。岡田明丈は2017年に12勝を挙げたが、その後制球難に苦しみ、2019年を最後に一軍で投げていない。
巨人から大竹寛の人的保障として移籍した一岡竜司は、2014年からセットアッパーとして長く活躍したが、救援に失敗するケースが増えた。今季は二軍で救援投手として調整中。2018年に6勝を挙げたアドゥワ誠は、2020年10月に右肘軟骨・骨棘切除手術を受けてリハビリ中。昨年、クローザーを託されながら失敗したスコットは2021年の契約を更新し、今季は二軍で主に救援で投げている。
2018年から3年で167試合に投げたスタミナ抜群の救援投手、フランスアは今年3月、右ひざ半月板の手術によって戦線離脱している。戸田隆矢は2014、15年と先発、救援で合わせて7勝11ホールドを挙げたが2020年7月にトミー・ジョン手術を受け育成契約に変わっている。
ヤクルトでは東洋大から2015年ドラフト1位で入団し、2018年には6勝を挙げた原樹理が今季未出場。オープン戦では先発、救援で試されたが結果を出せなかった。歳内宏明は、阪神の救援投手だったが、昨年は独立リーグ・香川で投げたのちにヤクルトに移籍。先発で1勝2敗ながら「奇跡の復活」と注目された。今季もキャンプは一軍スタートだったが登板機会はなく、二軍落ちした。
東京大学の左腕エースとして注目された宮台康平は、2017年ドラフト7位で日本ハムに入団。しかし1軍登板は1試合にとどまり、昨年オフに戦力外に。育成で再契約のオファーを断り、トライアウトを経てヤクルトに入団した。春季キャンプは二軍スタートだったが初日からブルペンに入るなど気合十分だった。5月29日に一軍登録されたものの、まだ登板のチャンスは巡ってきていない。
雄平(高井雄平)は投手から外野手に転向、2017、18年に3割をマークするなどシュアな打撃の左打者として活躍したが、今季は未出場。二軍でも打率1割台に沈んでいる。若手外野手の台頭で苦しい状況だ。
こうしてみると野手は成績不振だったり、ポジション争いに敗れたりしたケースが多いが、投手は故障によって二軍で低迷することが多い。投手というポジションの過酷さを改めて感じる。
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