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巨人・秋広優人が大谷翔平に近付くための3つの課題と2人の共通点

2021 4/16 06:00中村タカシ
巨人・秋広優人ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ロマン溢れる身長2メートルの長距離砲

巨人に怪物級の素材を持った選手が入団した。身長2mルーキー・秋広優人だ。2020年ドラフト会議で巨人から5位指名を受け入団。恵まれた身長と長いリーチはエンゼルスの大谷翔平を彷彿とさせ、首脳陣の期待も大きい。

秋広はオープン戦中盤まで良い形で結果を残したが、中盤以降に失速。開幕一軍を勝ち取れず、現在は二軍でも打撃で苦戦しており、プロの壁に苦しんでいる状況だ。

とはいえ、秋広の高い素質は誰もが認めるところだけに、じっくり力を付けてほしいと願うファンも多いだろう。

秋広優人と大谷翔平の共通点

秋広と大谷には共通点が3つ存在する。まず外角に強いところだ。秋広は大谷と同様にリーチが長いため、外角も楽に打てる。秋広が打ったヒットの多くがセンター方向から逆方向であり、外角を苦にしない。リーチが長いのは、それだけでもメリットになる。外角を難なく弾き返せるのは、投手からすれば脅威である。

2つめは、左脇を大きく空けて構える点。脇を空けるメリットは、トップを後ろへ深く作ることができ、脇を締める勢いを利用してヘッドスピードを上げられることだ。

3つめは、打席での威圧感。身長が高く、構えるだけで相当な威圧感を与えられる。遠いボールでも弾き返し、どこに投げても打たれそうな雰囲気は誰もが出せるものではない。

秋広優人の改善点

では、秋広が大谷に近付くために改善すべき点はどこだろうか。

1つめは、右腕の張りが弱いところだ。左打者の場合、テイクバック時に右腕が張っていく状態になる。大谷と秋広の打撃フォームを比べると、大谷はテイクバック時の右腕の張りが強く、右肘の角度が大きい。対して秋広は、テイクバック時の右肘の角度が小さく張り切れていない。深いトップを作るには、右腕の張りも大事になるので意識することが重要だ。

2つめは、スイングの際に右腕の脇が完全に閉じてしまうところである。スイング時に右脇を閉じてしまうと、両腕の間にできる空間が小さくなる。そうなるとスムーズにヘッドを前へ送り出すことが難しくなるのだ。右脇にもゆとりを持たせることができれば、インサイドも対応しやすくなる。

3つめは、スイングの際に左肘がヘソの前に入ってこないところだ。スイングする際に左肘がヘソへ送られる前に腰が回ってしまい、ヘッドを前に出せなくなる。そうなるとインサイドの速球に対応できなくなり、インサイドばかり攻められるようになるだろう。

大谷がなぜ長いリーチであるにも関わらず、インサイドの速球に対応できているのか。それは腰がギリギリまで回転せず、左肘をスムーズにヘソの前に送り出せているからである。秋広も左肘がスムーズにヘソの前へ出せれば、インサイドの速球もさばけるはずだ。

秋広は順調に成長していけば、大谷以上のスラッガーになれる可能性を秘めている。素材は申し分ないため、体力と技術をじっくりつけて大谷を超えるような選手になってほしい。今後の成長と活躍に注目したい。

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