43歳のレジェンド福留孝介
PL学園の硬式野球部が2016年夏の大阪大会を最後に休部となってから4年が過ぎた。かつては一大勢力を誇っていたプロ野球界でも年々OBが減少している。
2020年に現役でプレーした選手は日米合わせてもわずか5人。まずは野手から見ていこう。
最年長は43歳の福留孝介。PL出身選手の中でも、レジェンドと呼ぶに十分な実績を残してきた。
高校時代は2年春と3年春夏の3度、甲子園に出場。2年生時の1994年センバツではベスト4進出に貢献し、翌1995年センバツでは初戦で銚子商に敗れたものの、バックスクリーンに放り込んで度肝を抜いた。
最後の夏は大阪大会で7本塁打を放って優勝。「大会屈指のスラッガー」として迎えた夏の甲子園1回戦、北海道工戦では2打席連続本塁打を放った。準々決勝で敗れて全国制覇は果たせなかったが、聖地に強烈なインパクトを残した。
卒業後は近鉄のドラフト指名を拒否して日本生命に入社し、3年後に逆指名で中日入り。メジャーで5年、阪神では2013年から8年プレーした。
日米通算2407安打、323本塁打、1252打点、打率.282というとてつもない数字が並ぶ。今オフに自由契約となったが、14年ぶりの中日復帰が決まっている。
「最後のPL戦士」中川圭太
小窪哲也もプロで長くプレーした。PL学園時代は2003年夏の甲子園に出場。初戦で雪谷(東東京)を13-1で破り、2回戦で福井商に敗れたが、小窪は計8打数6安打をマークした。
青山学院大を経て広島入団し、2016年には選手会長としてリーグ優勝に貢献。通算705試合出場で打率.259、18本塁打、153打点の成績を残している。今オフに自由契約となり、現役続行を希望している。
吉川大幾はPL2年生時の2009年に春夏連続で甲子園出場。センバツでは初戦で秋山拓巳のいた西条(愛媛)を撃破。2回戦で南陽工(山口)に敗れた。同年夏は聖光学院(福島)を下して2回戦進出したが、県岐阜商に3-6で敗れた。PLはこの年以来、甲子園に出場していない。
吉川は翌2010年ドラフト2位で中日入りし、背番号3を背負った。しかし、4年で戦力外通告を受け、2014年オフに巨人入り。2017年には自己最多の97試合に出場したが、2020年オフに2度目の戦力外通告を受けた。
通算268試合出場で172打数31安打、打率.180の成績を残している。
「最後のPL戦士」と呼ばれるのが、オリックスの中川圭太だ。PL時代は3年夏に主将として2014年夏の大阪大会で決勝進出。全国制覇した大阪桐蔭に1-9で敗れ、甲子園出場はならなかった。
中川は東洋大を経て2018年ドラフト7位でオリックス入団。2年目の今季は4番も務めるなど、111試合に出場して打率.288の成績を残した。プロ2年で通算126安打、5本塁打、45打点をマークしており、3年目の来季はさらなる飛躍が期待される。
投手はツインズの前田健太のみ
投手でPL出身の現役選手はツインズの前田健太しか残っていない。
PL時代は1年夏と3年春の2度、甲子園に出場。1年生時の2004年は、初戦の日大三高戦で先発したが5-8で敗れた。3年生時の2006年センバツでは、初戦の真岡工(栃木)戦で16三振を奪って完投勝利を収めるなどベスト4進出に貢献。同年ドラフト1位で広島入りした。
プロ入り後の活躍は説明の必要もないだろう。広島では2度の最多勝に輝き、2015年オフにポスティングシステムを利用してドジャース移籍。今季からツインズでプレーしている。
日米通算150勝103敗、防御率2.80。32歳という年齢的にも、200勝は十分に射程圏内だ。
現段階で2021年も現役続行が確実なのは、福留孝介、中川圭太、前田健太の3人のみ。校歌で「永遠(とわ)の学園」と謳われたPL学園出身の選手が減っていくのは寂しい限りだ。
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