チームで唯一の全試合出場
リーグ優勝に向けて着実に歩を進める巨人の中で、丸佳浩が果たしている役割は大きい。24日の阪神戦でも西勇輝からバックスクリーンに23号を放り込んだ。
今季前半は主に3番、8月から主に5番を務め、打率.283、23本塁打、66打点と堂々の成績(10月23日現在)。逆転のホームランキングも狙える位置につけており、広島からFA移籍して2年目も欠かせない戦力として、チームで唯一の全試合出場を続けている。
広島時代は2016年からのリーグ3連覇に大きく貢献。2017年から2年連続MVPに選出された。巨人移籍1年目の昨季も打率.292、27本塁打、89打点でチームのペナント奪回に貢献。今年もこのまま優勝すれば「個人でリーグ5連覇」という偉業となる。
「HR/FB」は20.2%で岡本、大山、村上より上
岡本和真や坂本勇人ら生え抜きスターに比べると、あまり目立たない存在ではあるが、実はセ・リーグトップに立っている指標がある。フライに占める本塁打の割合を示す「HR/FB」で20.2%をマークしており、本塁打王を争う阪神・大山悠輔や同僚の岡本和真、ヤクルト・村上宗隆らセ界のスラッガーを抑えて堂々の1位なのだ。
HR/FBはフライを本塁打にできるかどうか、つまり長打力を示す指標として活用され、平均10%前後とされる。丸は打球が上がれば、およそ5本に1本はホームランの計算。それだけ打ち損じが少なく、ボールの下を芯で捉えればスタンドに運ぶ可能性が高いと言えるだろう。
中距離ヒッターらしく、リーグ3位タイの二塁打26本を放っている丸は、長打(二塁打、三塁打、本塁打)の多い打者を示す「SecA」も村上宗隆に次いでリーグ2位の.435。長打率から打率を差し引いた「IsoP」もリーグ4位の.264となっている。
通算200本塁打もあと3本
丸はベルトライン辺りのボールには滅法強い。SPAIAのゾーン別データでは、ストライクゾーンを9分割した内角中ほどに対して打率.351、ど真ん中に対しては.471、外角中ほどにも.327と、いずれもハイアベレージを残している。
打球方向も右中間が25%で多いとはいえ、レフト方向にも16%、左中間にも17%と広角に打ち分けている。力まずコースに逆らわない打撃で、結果を出し続けているのだ。
現在プロ通算197本塁打で、今季中の200号も可能性は十分。原辰徳監督の背負っていた背番号8を受け継ぐ「優勝請負人」が、栄光のゴールへアーチを描く。
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