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連覇目前となった巨人の胴上げ投手は?先発投手なら31年ぶりの快挙

2020 10/20 11:22勝田聡
巨人・菅野智之ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

10月23日からの東京ドーム3連戦がXデーか

巨人の優勝マジックが7となり、リーグ連覇も秒読み段階に入った。他球団の動向にもよるが、10月23日から東京ドームで行われる阪神との3連戦がXデーとなりそうだ。

巨人が優勝を決める瞬間、すなわち9回のマウンドには誰が立っているのだろうか。抑え投手であるデラロサの可能性がもっとも高いわけだが、エース菅野智之が先発した場合は完投での胴上げ投手も十分にありえるだろう。

そんな巨人の胴上げ投手を時代が平成となった1989年以降で振り返ってみたい。1989年から2019年までの31年間で、巨人がリーグ優勝を果たしたのは13回。その胴上げ投手の一覧が下記の表となる。

平成以降の巨人の胴上げ投手


今回は巨人が勝利して優勝を決めた際に、最後の1アウトを取った投手を胴上げ投手としてカウント。マジック対象球団の敗戦によって決まった場合や、巨人がサヨナラ勝ちを収めた場合は胴上げ投手なしとした。内訳を見るとこれらのケースが意外と多く、13回のうち約半分に当たる6回が胴上げ投手なしとなっている。

2000年代以降は抑え投手が締めくくる

当然ではあるが、胴上げ投手の顔ぶれはそのシーズンの抑え投手が多い。特に2012年からの三連覇は印象的だ。2012年は守護神に定着し、32セーブをマークした西村健太朗が堂々の胴上げ投手となった。

続く2013年は異例の継投。この日はマジック1で迎えたナイター開始直後にマジック対象の阪神がデーゲームで敗れ、巨人の優勝が決まっていた。そのため、胴上げ投手というわけではないが、1点リードで迎えた9回を、山口鉄也、マシソン、西村の1人1殺で勝利をものにしている。

翌2014年も同様の継投策に打って出た。先発の内海哲也が8回2死3失点で降板すると、西村健太朗が1死を奪う。9回は山口がマウンドに登り打者2人を打ち取ったところでマシソンを投入。安打を許したものの、最後は三振で締めた。9回2死でピンチを迎えたわけでもなかったが、継投策を用いてマシソンが胴上げ投手となったのだ。

この3年間の胴上げ投手、継投策を見ると、「スコット鉄太朗」の時代だったことがよくわかる。

先発完投は1989年の宮本和知が最後

昨シーズンのデラロサ、2012年、2014年の西村とマシソン、2009年のクルーンと、近年はまさにその年を象徴するクローザーが優勝を決めた試合の最後を締めくくってきた。だが、2000年代に入る前はそういうわけではなかった。

1996年はFA移籍2年目の川口和久が胴上げ投手となっている。川口はシーズン半ばから中継ぎへと配置転換されていたものの、セーブは3つだけ。抑えのマリオが不振だったために、急遽役割が変更された急造の抑え投手だった。

1994年は「国民的行事」としても有名な「10.8決戦」。槙原寛己、斎藤雅樹が6回までしのぎ、桑田真澄が7回から最後まで1人で投げきっている。もちろんこの年の桑田も抑え投手ではなく先発の柱であり、中継ぎで登板したのはこの1試合だけだった。

平成最初の日本シリーズとなった1989年は、現在投手コーチを務める宮本和知が完封勝ちを飾っている。これ以降、巨人では先発が胴上げ投手となっておらず、最後の先発投手による胴上げ投手でもある。

投手が分業制になったことで、先発投手が胴上げ投手となる機会は大きく減った。果たして今年はどうなるだろうか。抑えのデラロサか。それともエース菅野がチーム31年ぶりとなる、先発による胴上げ投手となるのだろうか。はたまた平成以降には3度あったサヨナラでの優勝決定だろうか。優勝の瞬間に注目したい。

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