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高橋優貴やっと初勝利、清水昇はブレイク、2年目迎えた大卒ドラ1投手たち

2020 10/15 06:00勝田聡
巨人の高橋優貴ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

高橋優貴が5回1失点で巨人はマジック9

巨人・高橋優貴が10月14日の広島戦(東京ドーム)で今季初先発初勝利を挙げた。2回に會澤翼にソロ本塁打を喫したものの、失点はその1点のみ。5回を2安打に抑える好投で待望の1勝目をつかみ、チームの優勝マジックを「9」に減らした。

2018年ドラフト1位で八戸学院大から入団した高橋は、昨季18試合に登板して5勝7敗とまずまずの成績を残した。しかし、先発ローテーション入りが期待された今シーズンは左肘痛の影響で大きく出遅れていた。

今季初登板となった10月7日のDeNA戦でプロ入り初めて中継ぎとしてマウンドに登り、2.2回を1失点、6奪三振と好投。原辰徳監督も「初心を忘れていないという部分でも、非常にいいですね」と絶賛した。残り試合は少ないものの、来シーズンへ向け、少しでも結果を残して巻き返しを図りたいところだろう。

高橋を含め、2018年のドラフト1位で入団した大卒の即戦力候補と呼ばれていた投手たちは、どのような結果を残してきたのだろうか。ここまでの成績を振り返ってみたい。

2018年ドラフト1位の大卒投手は5人

2018年のドラフトで1位指名を受けた大卒の投手は上茶谷大河(東洋大→DeNA)、甲斐野央(東洋大→ソフトバンク)、清水昇(國學院大→ヤクルト)、松本航(日体大→西武)、高橋の5人。

2018年ドラフト1位の大卒投手・成績ⒸSPAIA


東洋大からドラフト1位でDeNAに入団した上茶谷は昨シーズン、12球団のルーキーの中で最多の134回を投げ、7勝6敗、防御率3.96とローテーションの一員として奮闘した。今シーズンは10試合に登板しているものの、開幕前の右肘の炎症により初登板は7月24日だった。

上茶谷と同じく東洋大からドラフト1位でソフトバンクに入団した甲斐野は、昨シーズン65試合に登板し中継ぎとしてフル回転。日本一に大きく貢献した。しかし、現在は右肘の内側側副靭帯部分損傷で離脱中。7月24日に二軍戦で復帰したが、それ以降は再び公式戦から離れている。

5人中、高橋を含めた3人が、故障により2年目をフルシーズン戦えていない。

セットアッパーとして清水昇がブレイク

一方で2年目となる今シーズン、故障などの離脱なく戦力となっているのが松本と清水の2人である。

昨シーズンの開幕前に肺炎を発症した松本は、デビューが5月に入ってからと少し出遅れた。以降、抹消と登録を繰り返しながら16試合に登板し、貯金が3つ。1年目の投手としてはまずまずの結果を残した。今シーズンは開幕から先発ローテーションを守り、投球回数も昨シーズンを上回っている。ここまでは順調と言っていいだろう。

清水は1年目こそ結果を残せなかったものの、2年目の今シーズン飛躍的に成績が良化した。昨シーズンは11試合の登板で防御率は7点台と、大卒ドラ1の5人の中で最も苦しんだが、今シーズンは開幕一軍入りを果たし結果も残し続けたことで、現在は「8回の男」として君臨している。

5人の中では唯一、新人王の資格も残っており、候補の一人に挙げられている。2年目という括りをのぞいても、「今シーズン、ブレイクした一人」に数えてもいいほどの活躍を続けている。

大卒や社会人出身で1位指名の投手は「即戦力候補」として取り上げられ、1年目から継続して結果を求められることが多い。しかし、一昨年のドラフト1位を見ても分かる通り、2年連続で主力級の結果を残している投手は1人もいない。1年目に活躍したからといって、それを継続できるかどうかは未知。仮に結果を残せなかったとしても、2年目以降に急上昇する可能性が十分にある。

今回取り上げた2018年大卒ドラ1投手5人の中で、プロの水にも慣れたであろう3年目以降に抜け出す選手は現れるのだろうか。

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