大山がヒットを打てば10勝2敗1分け、打点を挙げれば9勝1敗
7月中旬まで最下位だった阪神が調子を上げてきた。7月は13勝6敗1分けで、最大8あった借金を完済。ちょうど30試合を消化して15勝14敗1分けの貯金1で3位につけている。
最大の要因は4番に座る大山悠輔の好調だろう。今季はメジャー通算92本塁打のジャスティン・ボーアと2019年に韓国で打点王に輝いたジェリー・サンズが加入し、昨季から残留したジェフリー・マルテを含めた助っ人野手3人の陰に隠れる形で6月は出場機会が少なかった。
しかし、マルテが左ふくらはぎの張りを訴えたため、大山が7月5日の広島戦からスタメン4番に入った。すると、背番号3は溜まりに溜まった鬱憤を晴らすかのように打ちまくる。
途中出場した2試合も含めて7月は打率.329、8本塁打、18打点。しかも大山がヒットを打った試合は10勝2敗1分け、ホームランを打てば7勝1敗、打点を挙げれば9勝1敗と、勝利の使者となっているのだ。
AB/HR 、IsoPとも巨人・岡本和真を上回る
開幕4番でスタートした昨季は矢野燿大監督が我慢して使い続けたが、成績が安定せず106試合目に6番降格。結局、打率.258、14本塁打、76打点と、4番としては物足りない成績に終わった。
2020年はオープン戦首位打者の打率.378をマークしたものの、新型コロナウイルスの感染拡大で水を差される不運。実戦不足のまま3か月遅れで開幕を迎えた。
大山は昨年9月16日のDeNA戦で、1イニング2発を含む6打数6安打3本塁打7打点をマークしたように、ハマった時の爆発力は凄まじいものがあったが、今季はムラがなくコンスタントに打ち続けている。
7月27日現在、規定打席には達していないものの、本塁打を放つまでに必要な打席数を示すAB/HRは10.1。ほぼ10打席に1発は打つ計算で、セ・リーグトップの巨人・岡本和真の10.5をも上回っている。
同じく長打力を示すIsoPも.370で、セ・リーグトップの岡本和真の.345を軽く上回っているのだ。
ちなみに昨季セ・リーグのAB/HRトップは、DeNAのネフタリ・ソトの12.0で大山は38.4、IsoPトップはヤクルト・山田哲人の.288で、大山は.143だった。今季の大山がいかに好調か分かるだろう。
シーズン終了まで4番を守り抜けるか
昨季はチーム総得点がリーグ最下位の538と、貧打に泣いた阪神。2020年もここまでの総得点はリーグ5位の118と得点力不足が解消された訳ではない。
だからこそ大山の強打、特にチームの勝利と直結している打撃成績は価値がある。例年なら開幕から4カ月が経って疲れが出る頃だが、当面は大丈夫だろう。
巨人の独走を許さず、15年ぶりのリーグ優勝に近付くためにも、大山にかかる期待は大きい。4年目の25歳が今季こそシーズン終了まで不動の4番として君臨できるかが、阪神浮沈のカギを握っている。
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