HR/FBは25.0%でリーグトップ
巨人・岡本和真がホームランダービートップを走っている。ペナントレースの約4分の1を消化した時点で10本塁打なら、巨人では小笠原道大以来となる3年連続30発だけでなく、自身初の40発、さらに初のタイトルも大いに期待できる。
7月24日終了時点で長打率.657は広島・鈴木誠也の.683に次いで2位だが、塁打数から算出される長打率はシングルヒットも加算されるため、厳密に言うと「遠くへ飛ばす能力」とは異なる。より正確に長打の多い打者を示す指標「IsoP」では、岡本が.352で2位・鈴木の.327を大きく引き離してセ・リーグトップに立っている。
また、本塁打を放つまでにかかる打席数を示す「AB/HR」も10.5で、2位の中日・ビシエド(12.2)を抑えてトップ。1試合4打席と考えれば、3試合に1発は確実に打っている計算だ。
ただ、単に遠くへ飛ばし、ホームランを多く打つだけでは「アーチスト」とは言えない。岡本はフライに占める本塁打の割合を示す「HR/FB」も25.0%で、2位のDeNA・ソトの21.9%を引き離してトップに立つ。
「HR/FB」は、3位に19.2%のヤクルト・青木宣親、4位タイに17.9%の広島・堂林翔太とアベレージヒッターがランクされていることからも分かる通り、ホームランバッターだけが高い訳ではない。ポップフライなどが少なく、フェンス手前で失速することも少なく、ボールの少し下を叩いてスタンドまで放り込める力が反映される。
力任せのパワーヒッターではなく、中距離ヒッターにもとどまらない、正確にミートした打球をホームランにできる力が備わっていることを証明しているのだ。だから岡本のホームランは美しい放物線を描くのだろう。