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大谷メジャー挑戦!正確な球速が明らかに!?


メジャー,大谷,投球

Ⓒゲッティイメージズ

プロ野球記録「165キロ」。日本史上最高のスピードボーラー

2018年からいよいよ、大谷翔平(エンゼルス)は二刀流挑戦の場をアメリカ・大リーグに移す。大リーグではベーブ・ルース以来となる本格的な二刀流挑戦。日本ハムで2度記録している「2桁勝利&2桁本塁打」を達成すれば、ルース以来メジャー100年ぶりの快挙だ。1年目はいくつの勝利を挙げて、何本のホームランを打つことができるだろうか。

日本ハムでは二刀流プレーヤーとして、チームを日本一に導き、2016年のダブルベストナイン(投手&指名打者)選出など、球史に残る数々の伝説を打ち立てた大谷。達成した前人未到の偉業のひとつに、日本プロ野球史上最速の「165キロ」計測という記録がある。

投打両方での活躍が期待される大谷だが、こと「投手大谷」に関しては、大リーグの球場で「何キロ(マイル)の球速を計測するのか」に注目したい。

一部ファンから疑問の声が……?

花巻東高校時代、18歳にして160キロ(3年夏・岩手大会準決勝、一関学院戦)を投げていた大谷。日本プロ野球でスピードガン記録による計測がはじまって以来の、史上最高のスピードボーラーである。

プロ4年目の2016年に163キロ(6月5日・巨人戦)をたたき出し、マーク・クルーン(当時巨人)が持つ当時のプロ野球最速記録(162キロ)を更新。同シーズン終盤には164キロ(9月13日・オリックス戦)、9回にリリーフ登板したCSファイナルステージ第5戦で、165キロ(10月16日・ソフトバンク戦)まで自身の球速記録を更新した。

しかし、大谷が球速のプロ野球記録を次々と更新していった当時、一部の野球ファンから球速に対して疑問を呈する声も挙がっていた。「本当に165キロも出ているのか」「スピードガンがおかしいのではないのか」という意見である。

札幌ドームのスピードガンは「甘い」?

あくまで一部の野球ファンの間でだが、大谷の球速記録に向けられた疑惑には根拠が2つあった。

ひとつは、大谷が投げる160キロオーバーの直球が「バットにかすりもしないようなボールではない」ということである。比較対象としてよく挙がるのが、若いころの藤川球児(阪神)だ。まだまだ第一線で活躍する藤川(今季で38歳)だが、大リーグ挑戦(2013年~)前ごろまで、阪神の圧倒的リリーフエースに君臨していた時代の直球の威力はものすごかった。

球速はMAXで156キロ。大谷に比べると数字は一段劣る。しかし、とにかくバットに当たらない。特に印象的だったのは2006年のオールスターゲーム第一戦だ。9回から登板した藤川は、先頭のカブレラ(西武)の打席で「ストレート宣言」すると、見事直球のみで空振り三振。続く小笠原道大(日本ハム)も直球を続けて空振り三振にしとめるというシーンがあった。

大谷に話を戻すと、165キロを記録した登板では吉村裕基に1球、本多雄一に2球で計3度165キロを記録している。165キロで吉村に対しては空振りを奪ったが、本田に投じた2球はファール。同年のレギュラーシーズンでは、オリックスの糸井嘉男(現阪神)に164キロをライト前にはじき返されたこともあった。

外野まで運ばれる160キロと、直球しか来ないとわかっていても打てない150キロ。「違いはなんだろうか?」と考えると、いわゆる「ノビ」や「キレ」などいろいろあるだろうが、理由のひとつとしてスピードガンに疑いが向くのである。

もうひとつの根拠は、大谷が球速記録を更新する舞台となったのが、すべて札幌ドームだったという点だ。163、164、165キロをはじめて記録したのはいずれも日本ハムの本拠地であるこの球場。「日本ハム球団か札幌ドームが大谷フィーバーをより盛り上げるために、数字が出やすいようスピードガンをいじっているのではないか」という声が上がっている。

無論、証拠といえるものはなく、こういった推測からスピードガン計測がおかしいと決めつけることはできない。ただ、球団や球場の意図に関係なく、球場によってスピードガンの計測が「甘く」なったり「辛く」なったりすることは、実は十分に起こりうる話なのだ。

「スピードガン」による球速測定に球場間の誤差はつきもの

プロ野球の球速計測で使用されるスピードガンとは「ボール(野球の場合)に電波を照射して、反射してきた電波の変化を測定する」ことより、球速を算出する装置である。球速を正確に測定するためには、投手の「真正面」(または真後ろ)がスピードガンの設置場所として正しく、このラインから外れると、測定に誤差が生じる。

投手の真正面には審判がいるため、球場のスピードガンは横方向または上方向から、ボールに対して角度をつけて設置せざるを得ない。設置場所は球場によって異なり、球速を測定する環境は各球場で変わってくるため、球場間でスピードガン測定に誤差があるのは当然のことなのだ。

何度も大谷の球速記録更新の舞台となった札幌ドームは、もしかすると、スピードガン設置場所の関係で、他球場に比べて球速が出やすい測定環境にあったのかもしれない。

では、大谷が挑戦する大リーグではどうだろうか。

より正確な「PITCHf/x」で球速

大リーグでは、全30球団の各球場が共通して「PITCHf/x」というシステムにより球速測定を行っている。これは映像データから投球・打球に関する様々なデータを計測するトラッキング(自動追尾)システムで、電波の反射から球速を算出するスピードガンとは、まったく違った装置である。

「PITCHf/x」では、まだまだ球場間の差に改善の余地はあるようだが、スピードガンよりも正確に球速が測定できるとされている。さらに、ボールの「回転数」や「変化量」といった、投球に関するより詳細なデータも明らかになる。

この「PITCHf/x」で算出される球速を含めた詳細なデータにより、日本ハム時代に大谷へ向けられた「本当に165キロも出ているのか?」という疑惑は、ある程度はっきりしてくるはずだ。2018年シーズン開幕時点で大谷は23歳。まだまだ球速アップの可能性も残されている年齢だが、大リーグで数年プレーする中で、直球の球速が160キロ少しにとどまるようなら、やはり日本時代の球速記録は多めに出ていたということになるだろう。また回転数や変化量などのデータから、大谷の直球が球速のわりにバットに当てられることが多かったことに関して、理由が明らかになるかもしれない。


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