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「アドレナリンが出ていた」リーグ最強ドジャース打線を封じた22歳右腕に熱視線 外角162キロで大谷斬り、今永昇太や山本由伸のライバルに?

2024 6/6 06:00SPAIA編集部
ジャレッド・ジョーンズ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

初回から100マイル超連発

大谷翔平が所属するロサンゼルス・ドジャースは現地時間4日(日本時間5日)、敵地で行われたピッツバーグ・パイレーツ戦に0-1で敗戦。リーグ最高のチームOPS.762を誇る強力打線が5安打に封じられ、ホームを踏むことができなかった。

この試合で脚光を浴びたのが、パイレーツの先発ジャレッド・ジョーンズだ。今季メジャーデビューを果たした22歳右腕は、初回からエンジン全開の投球で100マイル超の速球を連発。先頭のムーキー・ベッツに対する3球目が101.4マイル(約163キロ)、4球目も101.3マイル(約163キロ)とMLBでの自己最速を更新する。

続く大谷翔平に対しては一転して初球から3球連続でスライダーを投じ、ファウル→空振り→ボールで1ボール2ストライクの後、外角からさらに外に逃げていくような軌道の101.0マイル(約162キロ)を投げ込んで空振り三振。このひと幕はMLB公式サイトでもトップニュースとして大々的に報じられた。

その後はフレディ・フリーマンとウィル・スミスの連打で二死二・三塁とピンチを迎えながら、テオスカー・ヘルナンデスを内野ゴロに仕留めて無失点スタート。3回にも二死からフリーマンの二塁打と死球で一・二塁としたが、ここもヘルナンデスを左飛に打ち取ってピンチを切り抜けた。

この日は6回・100球、被安打3、与四死は4つも6奪三振で無失点の好投。チームも3回にジャック・スウィンスキーのソロで挙げた虎の子の1点を守り抜き、ジョーンズに今季4勝目がついた。


ナ・リーグ新人王争いに殴り込み?

『MLB.com』に掲載された記事によると、「ジョーンズはカリフォルニア州ラ・ミラダで育ち、彼の高校もドジャースタジアムにほど近い場所にあった。南カリフォルニア州出身の彼がドジャースとの初登板にかなり興奮していたのは明らかだった」とし、「彼がメジャーリーグのキャリアで101マイルに達したのはこの日が初めて。それも1日で3回も達成した」と驚嘆の声。

「この試合に向けて、彼の中でアドレナリンが出ていたと言っても過言ではない」と続け、ドジャースという相手が22歳右腕の秘めたポテンシャルを引き出したのではないかと推測した。

なお、ジョーンズがこの試合で計測した「101.4マイル」と「101.3マイル」の速球は、『Statcast』が登場した2008年以降でパイレーツの先発投手が記録した球速としてはポール・スキーンズの「101.9マイル」と2013年ゲリット・コールの「101.7マイル」に次ぐ球団史上3番目、4番目の快速球だったという。

前回登板では5回途中7失点(自責5)と崩れ、今季の成績も4勝5敗で防御率3.25となっているが、ツボにハマった時には手が付けられないような快投をするのがジョーンズの魅力のひとつ。

実際に現地5月4日のロッキーズ戦でも7回・96球、被安打1、無四球10奪三振で無失点という圧巻の投球を見せており、この時は「投球イニング7回以上」「被安打1以下」「無四球」「10奪三振以上」をすべてクリアしたのが球団史上初ということが話題になった。

地区4位と苦戦するチームの中で打線の援護に恵まれない苦しさもあることを思えば、4勝5敗はむしろ大健闘。今回のドジャース戦や上述したロッキーズ戦のようなパフォーマンスに再現性が出てくれば、一気に白星を重ねていく爆発力を秘めている。

ちょうど同日、現地4日に『MLB.com』内で担当記者による新人王予想の投票結果が公開され、ナ・リーグは1位が今永昇太(カブス)、2位が山本由伸(ドジャース)と日本人ルーキーがワンツー。ジョーンズは5位だった。

3位にはパイレーツの同僚であるポール・スキーンズも入っており、敵チームだけでなく身内にライバルの存在があるということもひとつモチベーションを上げる要素となることだろう。ナ・リーグ新人王レースのダークホース候補として、ジャレッド・ジョーンズの名前をしっかりと憶えておきたい。

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