ターゲットは「16」
ドジャースの山本由伸が現地時間20日(日本時間21日)のダイヤモンドバックス戦で今季5勝目をゲット。カブス・今永昇太と勝利数で並んだ。
今季から戦いの場をメジャーリーグに移した2人の“背番号18”。山本はデビュー戦となった韓国でのパドレス戦で1回5失点KOという険しい船出となりながら、以降の9試合は5勝負けなし。見事な復活を遂げた。
一方の今永はデビュー戦となった本拠地でのロッキーズ戦で6回9奪三振無失点の快投を見せて初登板初勝利を飾ると、その後も圧巻の投球を継続。直近3戦は白星から遠ざかっているものの、9試合の登板で防御率0.84はMLB全体トップである。
ともに開幕から約2カ月で5つの白星を積み上げており、2桁勝利へ早くも折り返し地点に到達。メジャー1年目のシーズンで2桁勝利を達成した日本人投手は過去に8人しかおらず、今永と山本には9人目・10人目として名を連ねるのはもちろんのこと、ダルビッシュ有と前田健太が持つ1年目の最多勝記録「16」の更新にも期待が高まる。
オールスターまでに「8勝」がひとつの目安?
今季の日程を見ると、現地時間9月29日(日本時間30日)がレギュラーシーズン最終戦の予定となっている。今後は6~9月の4カ月間で「16」に達し、超えていくことができるかが焦点となる。
2012年のダルビッシュ(当時レンジャーズ)は5月までに7勝を稼ぎ、6~9月は計9勝。7月は1勝3敗で防御率5.74、8月は2勝2敗で防御率5.29と夏場に調子を崩したが、9月は3勝負けなしで防御率2.21と盛り返して松坂大輔の記録を塗り替えて見せた。
一方、2016年の前田(当時ドジャース)は5月に1勝2敗で防御率5.04とつまずき、5月終了時点の勝ち星は今永や山本を下回る4勝止まりだったが、6~9月で12勝の猛チャージ。9月下旬でダルビッシュの記録に並んでみせたが、記録更新とはならなかった。
2人の成績をオールスター前後で分けてみると、ダルビッシュはオールスター前が10勝5敗で防御率3.59。オールスター後は6勝4敗で防御率4.26だった。前田もオールスター前は8勝6敗で防御率2.95に対し、オールスター後は8勝5敗ながら防御率は4.25となっている。
やはり1年目のシーズンで日本時代より日程や移動が過酷な戦いとなるだけに、後半で数字を伸ばしていくというのはなかなか難しい。オールスターまでに最低でも8勝、このあたりがひとつの目安となりそうだ。
また、勝ち星を挙げるためには自身が相手打線を封じ込めるのはもちろんのこと、味方が得点を取ることも不可欠で、なおかつ自身の降板後には2番手以降の投手がリードを守り切って試合を締めなければならない。そのため、純粋な投手としての能力だけでなく、チーム力というのも大きな要素の一つとなる。
その点、より期待感を大きく持てるのはドジャース所属の山本だろう。チームは50試合を終えて33勝17敗で地区首位を独走中、勝率.660で総得点も259を誇る。今永所属のカブスは勝率.542で総得点212だから、白星を重ねていくうえでこの差は大きい。
今後も2人で切磋琢磨しながら勝ち星を伸ばし、偉大な先輩たちを超えていくことができるか。好スタートを切った今永と山本、背番号18のルーキーイヤーを引き続き見守っていきたい。
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