奈良県におけるスポーツの強豪
奈良県内だけでなく全国から生徒が集まる天理高校は、1908年に創立された長い歴史を持つ高校だ。硬式野球部だけでなく軟式野球部、柔道部、ラグビー部も全国的に強豪で、柔道60キロ級においてオリンピック三連覇を果たした野村忠宏選手も天理高校出身だ。
全国高校ラグビーでも6度の優勝を飾っており、ラグビー日本代表選手も輩出する名門校となっている。また、2016年の全国軟式野球大会では初優勝を飾った。
Photo by Mtsaride/Shutterstock.com
奈良県の名門でもある天理高校は、春夏通算3度の優勝を誇る強豪校だ。県内では智弁学園高校と常に覇権を争っており、気を抜くことはできない。そんな、天理高校野球部の歴史に迫る。
奈良県内だけでなく全国から生徒が集まる天理高校は、1908年に創立された長い歴史を持つ高校だ。硬式野球部だけでなく軟式野球部、柔道部、ラグビー部も全国的に強豪で、柔道60キロ級においてオリンピック三連覇を果たした野村忠宏選手も天理高校出身だ。
全国高校ラグビーでも6度の優勝を飾っており、ラグビー日本代表選手も輩出する名門校となっている。また、2016年の全国軟式野球大会では初優勝を飾った。
天理が初めて甲子園に出場したのは、1954年春の選抜だった。この大会から2大会連続で出場を果たすが、初勝利、初得点ともに挙げることができなかった。全国的な強豪校である天理も、初期は強豪ではなかったのだ。初勝利を挙げたのは3回目の出場となる1959年春の選抜だ。
初戦で久留米商業に2-0で勝利し初得点、初勝利をマーク。2回戦で高松商業に延長の末、破れるが、天理にとって歴史的な大会となった。その年の夏は2勝を挙げベスト8進出を果たし、着実に階段を登る。
3年間に渡り、甲子園を沸かせた『KKコンビ』ことPL学園の清原和博選手と桑田真澄選手の卒業後、初の選手権大会となった1986年夏の甲子園。PL学園も予選で敗退しており、前年までとは大きく違う大会となる。その中で天理は、後に近鉄からドラフト2位で指名されることになる中村良二選手を中心に決勝進出を果たす。
決勝の相手は近鉄に入団することになる水口栄二選手、佐野慈紀選手らを擁する松山商業だった。1点を先制されたものの、逆転に成功し逃げ切りを収め天理が初優勝を果たした。夏の選手権12回目の出場で初制覇となったのだ。これは奈良県勢にとっても初めての優勝だった。
天理は奈良県の高校野球を智弁学園高校、郡山高校とともに「奈良の御三家」とも呼ばれていた。近年では郡山の力は衰えており、2000年夏の選手権以来甲子園出場を果たしていない。
実質的に天理、智弁学園の二強と言える。夏の選手権の過去10年の出場校を見ると、天理は4回、智弁学園が5回、桜井が1回となっており、二強次代が続いていることがよくわかる。全国制覇の回数も天理が春1回、夏2回、智弁学園が春1回となっている。両校とも準優勝は一度もなく、決勝に進むと優勝というジンクスがあるのだ。
ドラフト制が始まって以降、天理高校から26名がプロ入りを果たしている。近年では西浦直亨選手(ヤクルト)、中村奨吾選手(ロッテ)と大学を経由してのプロ入りとなっており、直接のプロ入りは1997年広島8位の橋本啓選手まで遡る。
OBで最も活躍した選手は、門田博光選手だろうか。門田選手は南海、オリックス、ダイエーでプレーし、通算2556安打を放ち名球会入りも果たしている。また、40歳を超えてもなお活躍したことから「不惑の大砲」の異名を持っており、中年男性の希望の星ともなっていた。
近年、天理大学経由でプロ入りを果たした中村選手は、2017年シーズンから「ミスターロッテ」の背番号「8」を背負うなどと期待されている。また、西浦選手もレギュラー奪取に期待がかかっている。OBが活躍することでさらに入学希望者が増え、レベルアップすることでの4度目の全国制覇に期待がかかる。