1994年センバツ2回戦以来の対戦
第97回選抜高校野球大会も決勝を残すのみとなった。28日の準決勝第1試合では横浜(神奈川)が5-1で健大高崎(群馬)を下し、第2試合では智弁和歌山(和歌山)が5-0で浦和実(埼玉)に完封勝ち。30日の決勝で横浜と智弁和歌山が激突する。
どちらも全国制覇経験のある名門。横浜は17回目、智弁和歌山は16回目のセンバツだが、甲子園での対戦は1994年の第66回センバツ2回戦が唯一で、夏の選手権では対戦がない。
1994年と言えば、智弁和歌山の名将・髙嶋仁前監督が悲願の初優勝を果たした大会。初戦の秋田(秋田)に快勝すると、2回戦で後にプロで195本塁打を放つ多村仁のいた横浜に10-2で大勝した。
準々決勝は延長10回の激闘の末、宇和島東(愛媛)を6-5で振り切り、準決勝は同年ドラフト1位でロッテ入りする大村三郎やまだ2年生だった福留孝介のいたPL学園(大阪)に5-4で劇勝。決勝は常総学院(茨城)に8回に追いつかれながら9回に勝ち越し、7-5で制した。
5試合とも背番号10の笠木伸二とエースナンバーを背負う松野真人の継投。後にプロに進む選手はいなかったが、甲子園常連の強豪を次々に倒しての初優勝だった。
2000年センバツ決勝は東海大相模vs智弁和歌山
高校ではなく県に対象を広げてみると、神奈川vs和歌山の甲子園での対戦はいずれも接戦の好ゲームが多い。唯一、決勝で対戦したのが2000年の第72回センバツだ。
東海大相模は今治西(愛媛)、東洋大姫路(兵庫)、作新学院(栃木)、鳥羽(京都)を破って決勝進出。智弁和歌山は丸亀(香川)、国士舘(東京)、柳川(福岡)、国学院栃木(栃木)を下して決勝にコマを進めていた。
決勝は一進一退の白熱した接戦となり、同点で迎えた8回、東海大相模がついに2点を勝ち越し。東海大相模のエース筑川利希也が智弁和歌山の強力打線を2点に抑え、センバツ初優勝を飾った。
智弁和歌山は後に早稲田大を経てヤクルトで活躍する武内晋一が2年生。「高校野球史上最強打線」と呼ばれた猛打で夏の選手権でも決勝に進出し、決勝で東海大浦安(千葉)を破って優勝した。1大会(6試合)通算で11本塁打、100安打の新記録だった。
1980年夏の甲子園準々決勝で横浜vs箕島
2018年の第90回センバツ準決勝はご記憶の方も多いだろう。智弁和歌山と東海大相模が激突し、10-10で延長に突入。10回表に智弁和歌山が2点を奪い、12-10で勝利した。
智弁和歌山には林晃汰(現広島)、黒川史陽(現楽天)、東妻純平(現DeNA)、東海大相模には森下翔太(現阪神)ら後のプロ野球選手が在籍。智弁和歌山は決勝で根尾昂(現中日)、藤原恭大(現ロッテ)らのいた大阪桐蔭に敗れ、準優勝だった。
オールドファンは1980年夏の甲子園も印象深いのではないだろうか。第62回選手権大会準々決勝、横浜が前年に春夏連覇した箕島と対戦。同年ドラフト1位でロッテ入りする愛甲猛のいた横浜が3-2で接戦を制した。尾藤公監督との名将対決に勝った渡辺元智監督は、決勝でも1年生右腕・荒木大輔を擁する早稲田実を下し、初めて夏の頂点に立った。
今大会の横浜は1回戦でも4-2で市和歌山を下しており、2回目の和歌山県勢との対戦。横浜が勝てば19年ぶり4回目、智弁和歌山が勝てば31年ぶり2回目のセンバツ制覇となる。

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