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第104回全国高校野球選手権大会に出場している高松商のスラッガー・浅野翔吾が、2回戦の佐久長聖戦で2打席連続本塁打を放ち、高校通算66本塁打に伸ばした。身長は170センチながら体重は86キロのがっちりした体格で、胸板の厚さはユニフォーム越しにも分かる。香川大会でも計3本塁打を放って打率.571をマークしており、ネット裏のスカウト陣の評価は高まる一方だろう。
高松商は3回戦で九州国際大付（福岡）と対戦。香川の強打者と言えば高松一高時代に「怪童」と呼ばれた中西太が思い起こされるが、久々に四国が生んだパワーヒッターに注目が集まる。
今大会の四国勢は高松商以外全て姿を消したが、かつては「四国四商」と呼ばれる名門校が覇権を争っていた。香川の高松商、徳島の徳島商、愛媛の松山商、高知の高知商だ。いずれも、たびたび甲子園を沸かせてきた強豪だが、現状は甲子園から遠ざかっている高校もある。「四国四商」の足跡を改めて振り返ってみたい。
今夏で3大会連続22回目の出場となった高松商は、1924年の第1回センバツで優勝し、初代王者に輝いた実績を持つ。翌1925年は春に準優勝、夏に優勝を飾るなど全国屈指の強豪だった。
センバツと選手権で2回ずつ頂点に立ったが、低迷期もあった。1996年に春夏連続出場してから20年間は聖地に足を踏み入れることがなかったのだ。
その間は尽誠学園や丸亀城西が強く、やがて英明が台頭。久々に甲子園に出場したのは2016年のセンバツだった。20年ぶりとは思えない快進撃で、いなべ総合、創志学園、海星、秀岳館を次々に撃破。決勝で智弁学園に惜敗したものの、見事な準優勝だった。以降は香川県の強豪として君臨しており、今大会も注目の一校だ。
徳島商はセンバツに19回、夏に23回の甲子園出場を誇る。1947年センバツでは、同年夏の選手権で優勝する小倉中を決勝で破って初優勝。さらに「徳商」の名を全国に轟かせたのが1958年の第40回大会だ。
好投手・板東英二を擁して勝ち上がり、準々決勝では魚津の村椿輝雄と投げ合って延長18回、0－0の引き分け再試合の末に勝利。決勝で柳井に敗れたものの、現在も最多記録の大会通算83奪三振をマークして準優勝に輝いた。
また、1993年夏には、後に中日で活躍する川上憲伸を擁してベスト8入り。しかし、2011年夏の3回戦で光星学院（現八戸学院光星）に敗れたのを最後に甲子園から遠ざかっている。今春の県大会で優勝して久々の出場が期待されたが、夏は徳島大会準決勝で鳴門渦潮に敗れた。
4校で最も甲子園から遠ざかっているのが松山商だ。春16回、夏26回出場した名門もベスト4入りした2001年夏が最後となっている。
そもそも松山は「野球発祥の地」とされており、俳人・正岡子規がベースボールを広め、「打者」「走者」「四球」などの野球用語を翻訳したことでも知られる野球熱の高い土地。松山商は1925年センバツの初優勝を皮切りに、1932年春、1935年夏、1950年夏、1953年夏、1969年夏、1996年夏と春2回、夏5回の全国制覇を果たしている。
その中には三沢・太田幸司と延長18回0－0の引き分け再試合を制した1969年や、「奇跡のバックホーム」と語り継がれる熊本工との激闘を制した1996年など球史に残る名勝負もある。今春は17年ぶりに県大会で優勝したが、夏は愛媛大会3回戦で今治西に敗退。名門復活はお預けとなった。
高知商は春14回、夏23回出場。1978年夏の決勝でPL学園を9回までリードしながら逆転サヨナラ負けするなど、あと一歩で頂点に届かなかったが、1980年センバツで、後に阪神で活躍する中西清起を擁して初優勝。その後も1983年夏、85年夏、86年夏に8強入りするなど甲子園常連校だった。
しかし、21世紀に入ってからは、2002年に全国制覇した明徳義塾に押され、2006年夏と2018年夏の2回のみ。12年ぶりの甲子園となった2018年は山梨学院、慶応を破って3回戦に進出し、古豪復活を感じさせた。今夏は高知大会準々決勝で高知中央に敗れた。
夏の選手権大会に「四国四商」が揃い踏みしたのは1978年の一度のみ。名門復活を期待するとともに、いつか再び「四商」が甲子園で並び立つ姿を見てみたい。
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