北海道は札幌第一が優勝
いよいよ球児の夏が近付いてきた。第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から甲子園球場)の地方予選のトップを切って沖縄大会が6月18日に開幕。その後も各地で甲子園切符をかけた熱い戦いが開催される。
夏に向けた試金石でもある春季大会はすでに全国各地で開催された。その結果と夏への展望を紹介する。
北海道は札幌第一が優勝し、春の全道王者に輝いた。北照との決勝では2回に6点を奪って終始有利に試合を運び、9-3で大勝。準々決勝でクラーク記念国際(延長11回)、準決勝で苫小牧中央(延長10回)に2試合連続サヨナラ勝ちした勢いで頂点に立った。
札幌第一はセンバツには2016、17、19年と出場しているものの、夏の甲子園は2012年以来遠ざかっており、10年ぶり4回目の出場なるか注目される。センバツに出場したクラーク記念国際は北北海道から春夏連続出場を狙う。
東北は聖光学院が4年ぶりV
東北大会は聖光学院が制した。準々決勝で秋田商に逆転サヨナラ勝ちして勢いに乗ると、準決勝は聖愛と延長12回の激闘の末に5-3で勝利。決勝では東北に先制されながら7回に一挙4点を奪って4-3で逆転勝ちし、4年ぶり4度目の優勝を果たした。
聖光学院は今春センバツに出場し、準優勝した近江に2-7で敗退。昨夏の甲子園は日大東北が出場して聖光の連続出場は13年でストップしたが、今夏は3年ぶり17回目の出場を狙う。
また、2年生ですでに69本塁打を放っている怪物スラッガー、佐々木麟太郎を擁する花巻東は準々決勝で東北に1-3で敗退。佐々木は4打数無安打に終わった。
関東は浦和学院が制圧
関東大会は今春センバツ4強の浦和学院が優勝した。準々決勝で昨秋の関東王者・明秀日立に9-7で競り勝つと、準決勝で山梨学院を7-0(7回コールド)、決勝では関東一に4-1と快勝。5年ぶり7度目の春の関東王者となった。
浦和学院は夏の埼玉大会でも本命だろう。昨夏の甲子園では初戦で日大山形に敗れたが、悲願の夏の全国制覇を狙う。
東京は関東一が頂点
東京大会は関東一が制した。決勝では二松学舎大付に7-3で快勝。昨夏の東東京大会決勝、昨秋の東京大会準決勝でいずれも敗れたライバルに雪辱を果たした。関東大会でも決勝進出して準優勝。今夏はセンバツにも出場した二松学舎大付との決戦となりそうだ。
西東京はセンバツ4強入りした国学院久我山と東海大菅生、日大三などが覇権を争う展開と見られる。
北信越は日本航空石川
北信越大会は日本航空石川が頂点に立った。初戦は敦賀工に11-3(8回コールド)、準決勝は啓新に9-0(7回コールド)と危なげなく勝ち上がり、決勝は上田西を10-5で下した。
今春センバツ8強の星稜は林和成監督が3月いっぱいで退任したこともあり、石川の勢力図が塗り替わるかも知れない。
東海は浜松開誠館が初V
東海大会は創部25年目の浜松開誠館が初優勝した。初戦は愛工大名電に3-1、準決勝は津商に5-3と接戦を制し、決勝は岐阜第一に7-2で快勝した。
静岡と言えば、今春センバツで選考漏れとなった聖隷クリストファーが記憶に新しいが、昨春センバツが三島南、昨夏選手権が静岡、今春センバツが日大三島と、毎回甲子園出場校が違っている。群雄割拠の夏を制するのはどこだろうか。
近畿は智弁和歌山が大阪桐蔭下す
近畿大会を制したのは智弁和歌山だった。準決勝で報徳学園を5-4で振り切った智弁和歌山は、決勝で今春センバツ覇者の大阪桐蔭と対戦。初回に3点を先制すると相手の反撃を2点に抑え、3-2で16年ぶり3度目の優勝を果たした。
智弁和歌山は5大会連続夏の甲子園へ大前進。公式戦29連勝でストップした大阪桐蔭も、準決勝でセンバツ決勝の再現となった近江を11-2で退けており、春夏連覇の可能性は十分にありそうだ。
中国は創志学園が連覇
中国大会は創志学園が2連覇を果たした。初戦は石見智翠館に6-0、準決勝は益田東に7-0で勝ち上がり、決勝は広陵との接戦を5-4で制した。
岡山は昨夏選手権は倉敷商、今春センバツは倉敷工が出場したが、今夏は創志学園が4年ぶり3度目となる夏の甲子園を狙う。また、今春センバツに広陵と広島商の名門2校が出場した広島の熱い戦いにも注目だ。
四国は鳴門が制す
四国大会は鳴門が優勝した。初戦で高知に3ー0、準決勝で高松商に7-0(8回コールド)と2試合連続完封勝ちした鳴門は、明徳義塾との決勝で大熱戦。突き放されては追いつく展開で延長11回、6-5で逆転サヨナラ勝ちし、頂点に立った。
今春センバツ1回戦で大阪桐蔭に敗れた鳴門は春夏連続出場へ前進。明徳義塾も3大会連続夏の甲子園を狙う。
九州は神村学園が優勝
九州大会は神村学園が優勝した。準々決勝では今春センバツ21世紀枠で出場した大分舞鶴を11-4(8回コールド)、準決勝では九州国際大付を3-2で下し、決勝は西日本短大付に8-4で快勝。強力打線で10季ぶり4度目の頂点に立った。
神村学園は2019年夏の甲子園に出場しており、3年ぶり6回目の出場を狙う。日本ハム・新庄剛志ビッグボスの母校としても知られる西日本短大付は2年連続夏の甲子園に向け、今春センバツに出場した九州国際大付が最大のライバルとなりそうだ。
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