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全て公立、8校は初選出
2022年に行われる第94回選抜高校野球大会「21世紀枠」の各地区候補校9校が決定した。
21世紀枠は都道府県大会でベスト16以上の中から、文武両道や地域貢献、困難な環境の克服など野球以外の要素を加えて選ばれる制度で、2001年から導入。今回の9校は全て公立校で、8校は初の候補校選出となった。
このうち東日本から1校、西日本から1校、地区を限定せずに1校の計3校が選ばれ、来春センバツに出場する。北から順に紹介していこう。
北海道：札幌国際情報
今秋の北海道大会初戦で遠軽に13－1で大勝すると、2回戦は釧路江南に15－3、準々決勝は士別翔雲に18－0と3試合連続2桁得点。準決勝は旭川実に3－4で惜敗したが、元日本ハム投手の有倉雅史監督が指揮を執っており、実力は確かだ。
札幌ではトップクラスの進学校。室内練習場がないため、雪の影響で練習期間やメニューも限定されるが、SNSも活用して、より効率的な練習に取り組んでいる。
東北：只見（福島）
今秋の福島県大会ベスト8。3回戦で延長11回サヨナラ勝ち、4回戦も逆転勝ちと粘り強い戦いで勝ち上がった。
豪雪地帯のためトレーニングするにも常にハンデがつきまとう。過疎化が進んでいることもあり、只見町山村教育留学制度を採用して町外から入学する生徒に町立の寮を提供。野球部でも5人がこの制度で通学している。
関東：県太田（群馬）
今秋の群馬県大会ベスト8。準々決勝で健大高崎に2－7で敗れた。今年は春夏連続で県大会ベスト4入りしている。
開校は1897年、創立124年の男子校で、県内屈指の進学校としても知られる。「文武両道」「質実剛健」の校風で、国公立大学に多くの合格者を出している。
北信越：丹生（にゅう、福井）
今秋の福井県大会ベスト4。準決勝では福井工大福井に大敗したが、3位決定戦では北信越大会優勝の敦賀気比に3－8で敗れたものの序盤はリードを奪う接戦だった。2019年夏の県大会で準優勝するなど近年、急激に力をつけている。
1925年創立の県立校で、木製バットやSNSの活用など練習を工夫し、丸刈りも廃止している。
東海：相可（おうか、三重）
今秋の三重県大会ベスト8。準々決勝で津田学園に1－9で敗れた。過去、夏の甲子園には1963年、1979年、1983年の3度出場している、創立110年を超える伝統校だ。
生産経済科では松阪牛の飼育に取り組み、ほかにも環境創造科、食物調理科などがある。実習などのために全員で練習できる日は限られるが、学業と部活を両立させている。
近畿：伊吹（滋賀）
今秋の滋賀県大会ベスト8。準々決勝で優勝した近江に2－3でサヨナラ負けした。
雪深い米原市にあり、冬場の練習ではハンデを抱える。学校周辺の清掃活動や除雪作業で地域にも貢献している。
中国：倉吉総合産（鳥取）
今秋の鳥取県大会準優勝。決勝で鳥取商に5－16で敗れ、中国大会1回戦では優勝した広陵（広島）に0－6で完封負けした。
2003年に倉吉産と倉吉工の2校の統合によって発足。警察と協力して青少年向けの非行防止啓発活動に取り組むなど地域貢献にも力を入れている。
四国：高松一（香川）
今秋の香川県大会ベスト8。初戦で甲子園出場経験のある丸亀城西を撃破し、準々決勝で大手前高松に3－13で敗れた。
かつて「怪童」と呼ばれ、後に西鉄で5度の本塁打王に輝いた中西太氏の母校としても有名だ。甲子園には1949年春夏、1951年夏、1972年夏の計4度出場。選ばれれば73年ぶりのセンバツ出場となる。
県内有数の進学校でもあり、野球部員はわずか13人ながら工夫を重ねて好成績を収めた。2007年の第79回大会でも候補校に選出されており、今回の9校のうち唯一、2度目の選出となっている。
九州：大分舞鶴（大分）
今秋の大分県大会決勝で明豊に9－10で敗れ準優勝。九州大会では初戦で大島（鹿児島）と引き分け再試合の末、2－3で敗れた。
ラグビー部は全国レベルだが、野球部も2020年の大分独自大会、2021年夏の大分大会で準優勝するなど力をつけている。県内有数の進学校でもあり、文武両道を実践している。
センバツ出場校を決める選考委員会は来年1月28日に開かれ、一般選考28校、21世紀枠3校、神宮大会枠1校の計32校が決まる。組み合わせ抽選会は3月11日に行われ、同18日に開幕。30日まで休養日を含む13日間の日程で開催される。
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