田中将大は11年連続2桁勝利達成
現地8月27日(日本時間8月28日)、田中将大(ヤンキース)がマリナーズ戦で菊池雄星との投げあいを制し、今シーズン10勝目をマークした。
MLB移籍後、6年連続の2ケタ勝利は、黒田博樹(元・ヤンキース他)が記録した5年連続2ケタ勝利(2010年〜2014年)を抜き、日本人投手としては最長記録。そして、NPB時代から数えると、2009年からなんと11年連続にもなる。これは田中本人が持つに実力によるものだが、それに加えて長期間の故障離脱や極度の不振がなかったということでもある。
だが、全く故障がなかった訳ではない。NPB時代の2010年にはシーズン終盤を1ケ月以上欠場しており、登板数はキャリアワーストの20試合にとどまっている。2012年にも序盤戦でおよそ1ヶ月間の離脱があり、22試合の登板だった。
2013年、世間にインパクトを与えたシーズン24連勝記録。しかし、それ以前のシーズンには短いながらも離脱期間があった。そして、少ない登板数のなかで2ケタ勝利という数字をクリアしてきたのだ。
MLB移籍後も決して順風満帆ではなく、初年度の2014年には右肘の靭帯部分断裂で7月半ばから2ヶ月ほど戦線離脱となっている。翌2015年にも開幕直後に右手首の腱炎等で故障者リスト入りし、2017年には右肩炎症、2018年も両太もも裏負傷で故障者リストに入っている。
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菅野智之、大瀬良大地、千賀滉大が継続確定
現在のNPB所属プレーヤーで、複数年連続で2ケタ勝利をマークしている投手はいるのだろうか。
昨シーズンはセ・パ合わせて19人が2ケタ勝利を達成している。そのなかで複数年連続達成していたのは、則本昂大(楽天/6年)、菊池雄星(西武/3年)、千賀滉大(ソフトバンク/3年)、ランディ・メッセンジャー(阪神/3年)、菅野智之(巨人/2年)、大瀬良大地(広島/2年)、リック・バンデンハーク(ソフトバンク/2年)の7人だけだった。
今シーズンの7人の成績を見ると、すでに千賀、菅野、大瀬良の3人は2ケタ勝利をクリアしているので、自身の連続記録を1年更新していることに。一方、菊池はシアトル・マリナーズへ移籍し現在5勝しているが、日本よりも登板間隔が短いMLBとはいえ残り1ヶ月間で5勝を上積みするのは厳しいと思われる。また、右肘手術を受けた影響もあり今シーズンは大きく出遅れた則本は、現時点で3勝しか挙げておらず更新は絶望的。メッセンジャー(3勝)とバンデンハーク(1勝)も現在は離脱中のため、連続記録は途絶えてしまいそうだ。
もちろん、先発ではなく中継ぎとして勝利数を上積みすることは可能。だが、チーム事情を見てもそのような起用法になることはないだろう。この事実から3年以上に渡って、複数年連続で2ケタ勝利をマークすることの大変さがよく分かる。改めて田中の凄さが浮き彫りになった。
来シーズン以降、菅野、大瀬良、千賀は2ケタ勝利を継続できるだろうか。実力だけでは到達できない田中の記録に続く選手は現れるのか注目だ。
※数字は2019年8月28日終了時点
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