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菊池雄星が日本人4人目の「マダックス」達成 過去に達成した日本人投手は?

2019 8/20 17:00勝田聡
シアトル・マリナーズの菊池雄星Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本人最初のマダックスは大家友和

現地8月18日(日本時間8月19日)、菊池雄星(マリナーズ)がブルージェイズ戦でMLB移籍後初完封を飾った。被安打はわずかに2本、奪三振8個と完ぺきに近い内容で勝利。球数は「96球」と省エネでもあった。

MLBでは、100球未満での完封勝利を通算355勝の大投手であるグレッグ・マダックスにちなんで「マダックス」と呼ぶ。過去に、大家友和(2005年/ブリュワーズ)、黒田博樹(2008年/ドジャース)、田中将大(2017年/ヤンキース)の3人の日本人投手が達成しており、今回の菊池で4人目。

日本人で最初にマダックスを達成した大家は、1999年のメジャーデビューから7年目のシーズン途中にナショナルズからブリュワーズへと移籍。初登板となった6月14日(同15日)のデビルレイズ戦では、初回から好投を続けスコアボードに「0」を刻み続けた。9安打を浴び、決して盤石な投球内容とはいえなかったが、結果的には98球で無四球完封勝利を達成。大家にとってNPBも含めた野球人生で唯一の完封勝利が、記念すべき日本人メジャーリーガー初のマダックスとなったのだ。

ちなみに、対戦相手のデビルレイズには、7番指名打者にジョニー・ゴームズ(元・楽天)、先発のティム・コーコラン(元・横浜)、2番手で登板したケーシー・フォッサム(元・阪神)と、後に日本でプレーすることとなる3選手が出場していた。

黒田博樹は1安打無四球の準完全試合

黒田がマダックスを達成したのは、ドジャースに加わった2008年のこと。黒田の16試合目の登板となった7月7日(同8日)のブレーブス戦。この日絶好調の黒田は、初回から順調にアウトを積み上げ、なんと7回まで一人の走者も許さないパーフェクトピッチング。

8回先頭のマーク・テシェイラに二塁打を浴び大記録こそ逃したが、そこから崩れることなく後続を断ち切る。続く9回も3人で仕留め、被安打1の無四球完封勝利。ブレーブス打線を安打1本に抑える準完全試合の上に、球数は91球と圧巻の内容だった。この試合でドジャースの中堅を務めていたのが、後に楽天でプレーすることとなるアンドリュー・ジョーンズであった。

その9年後の2017年4月27日(同28日)のレッドソックス戦で、マダックスを達成したのが田中だ。メジャーリーグを代表する左腕クリス・セールとの投手戦となったこの試合。両投手ともに好投を見せた。序盤から三塁を踏ませぬ圧巻の投球で、6回以降は1人の走者も許さなかった田中。レッドソックス打線を封じ込め、97球で無四球完封勝利をマークした。

野茂英雄やダルビッシュ有、前田健太など先発として活躍する日本人メジャーリーガーは多くいるが、これまでのマダックス達成はこの3例しかなかった。 ここまで苦しい投球が続いていた菊池だが、マダックスをきっかけに、上昇気流に乗ることが期待される。