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東北地方を代表する強豪社会人野球チームとは

2017 8/3 12:53Mimu
野球
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Photo by DarioZg / Shutterstock.com

以前から高校野球・大学野球では素晴らしい実績を残している東北勢だが、社会人野球でもそのレベルの高さは変わらず、大きな存在感を放っている。 今回はそんな社会人強豪チームの中から3つを紹介していこう。

100年近い伝統を持つ!JR東日本東北

まず紹介するのは、JR東日本東北だ。国鉄時代の1919年に創部された伝統あるチームで、都市対抗野球選大会よりも長い伝統を誇る。同大会の出場回数は24回を数え、1927年の第1回大会から1942年の第16回大会までに、計12回も出場したほどだ。全日本選手権への出場も15回を記録している。
1950~80年代には長い低迷期がやってくるが、国鉄が民営化してJRとなると、盛岡・秋田から選手たちが集まり、「JR東日本東北」として再スタートを切る。そして95年には53年ぶり13回目の都市対抗出場を果たすと、以降の20年間で12度の出場を記録した。
民営化は単なる1つのきっかけかもしれないが、これによってチームは再び輝きを取り戻したのだ。

JR東日本東北からプロ入りした選手たち

JR東日本東北の主な輩出選手としては、現役選手なら福岡ソフトバンクホークスの攝津正選手が代表的だろうか。2008年のドラフト5位で入団すると、1年目から70試合に登板し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。3年目からは先発投手に転向すると、そこから5年連続2ケタ勝利も記録している。
引退した選手では小坂誠さんが代表的だ。1996年のドラフト5位で千葉ロッテマリーンズに入団すると、1年目から新人記録を塗り替える56盗塁を記録し、新人王を獲得した。ちなみに、それ以前の新人記録は、同じくJR東日本東北から国鉄スワローズへ入団した佐藤孝夫さんの45盗塁。偉大な先輩の記録を塗り替えての新人王だった。その後も俊足を生かした鉄壁の守備でロッテの守備陣を支え、ゴールデングラブ賞を4度獲得。2005年には日本一も経験している。
2人とも決してドラフト上位ではないのだが、このチームでしっかりと力をつけ、プロでもトップクラスの成績を残すまでに成長していった。

近年の活躍が目覚ましい!七十七銀行

続いて紹介するのは七十七銀行だ。1980年に創部された比較的新しいチームで、初代監督の岸孝一さんは、2017年から東北楽天ゴールデンイーグルスに在籍する岸孝之選手の実父でもある。
創部当初は強豪ひしめく東北地区でなかなか浮上のきっかけをつかむことができなかったが、2000年代に入ると、徐々に頭角を現してくる。2003年に初の都市対抗大会に出場すると、翌2004年にはベスト4入りも達成。一気に全国屈指の強豪チームへと成長したのだ。

七十七銀行の注目選手とは!?

そんな七十七銀行では、プロ選手の輩出も増えてきている。2010年には小林敦選手がドラフト3位で千葉ロッテマリーンズに、2013年には相原和友選手がドラフト7位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した。 最近では、尾山将悟選手や田辺樹大選手らがプロからの注目を集めている。尾山選手は八戸学院大学出身で、3年時には東北学院大学を相手にノーヒットノーランを決めた実績もある。田辺選手は中央学院大学出身の選手で、4年春には全日本大学野球選手権で準優勝に貢献した。
今後は彼らが社会人野球を、そしてゆくゆくはプロ野球界を盛り上げてくれることに期待したい。ちなみに普段は七十七銀行の行員として勤務しており、実際に窓口に立つこともあるそうだ。

徐々に大きくなる存在感!日本製紙石巻

最後に紹介するのは日本製紙石巻だ。創部は十條製紙硬式野球部時代の1986年のこと。その後、会社が山陽国策パルプと合併したことにより、日本製紙野球部としてスタートした。七十七銀行と同じく、創部当初はなかなか勝ち上がることができなかったのだが、2009年頃から本格的に戦力補強を始めると、2010年には都市対抗に初出場する。2013年、2015年にも同大会に出場した。
それ以降、プロ野球選手の輩出も格段に多くなる。2010年のドラフトで久古健太郎選手がヤクルトスワローズからドラフト5位指名を受けると、翌年にはドラフト3位で比屋根渉選手、4位で大田祐哉選手が、同じくヤクルトから指名を受けた。以降2016年のドラフトまでに6人のプロ野球選手を輩出。徐々に野球界での存在感が大きくなってきた。となると、次なる目標は都市対抗野球制覇だろう。

まとめ

このように、東北にも社会人野球の強豪チームが多数ある。 特に、楽天がNPBに参入して以降、プロがより身近に感じられるようになったからか、さらに野球のレベルが上がっていったような印象だ。 これからも注目の地域と言えるだろう。