競争車最大の特徴はブレーキがない!
オートレースに用いられる競争車最大の特徴はブレーキがないことだ。多数の競争車がひしめき合うオートレースでブレーキを使用した減速は、追突事故並びにそれに伴う多重事故の原因となるため、最初からブレーキ非搭載となっている。
しかし、その反面エンジンブレーキは強力となっているのだ。一般的なバイクにはついているアイドリング機能もついておらず、オートレーサーが減速を行う時はエンジンブレーキを使用する。そして、時速10キロまで減速した時点で、レーサー自身の足で競争車を停めるのだ。
エンジンはセア!
オートレース専用に開発されたエンジンをセアと呼ぶ。セアとは”Super-Engine of Auto Race”の頭文字から取られているのだ。このセアはスズキが開発したオートレース専用の600ccエンジン(新人選手は500cc)で整備は各レーサーに任されている。しかし、不正な改造などを防止するために検査員同伴のもとでなければ整備はできない。セアが使用されているのは1993年10月からで全選手一斉乗り換えを行った。
ハンドルの高さが違う!
オートレースの競争車は左右でハンドルの高さが違う。一般のバイクのハンドルは平行だが、オートレースの競争車は左ハンドルが高く設計されている。オートレースは全レース場で左回りに統一されており、コーナー時に安定性を向上させるために左ハンドルを高くしているのだ。この高さが違うことによって、コーナーにおいてハンドルが路面と水平になるように計算されているのである。ハンドルの高さは選手の体格や身長によって各自で調整されている。
計器がない!
公道を走る目的ではないのでオートレースの競争車には計器類が一切搭載されいていない。ヘッドライト、ブレーキランプ、スピードメーターなど競争に必要のないものは全て取り除かれている。これはそもそも必要が無いということもあるが競争車を軽量化するための措置でもある。エンジンを掛けるためのキックペダルもセルモーターもオートレースの競争車には搭載されていないため、エンジンを始動させる際は押しがけを行っている。
他にもある競争車の特徴
オートレースの競争車にはギアが2段階しかない。時速150キロの猛スピードで周回しているオートレースで、ミッションを入替えている余裕はない。また、軽量化も理由の一つだ。タイヤは三角タイヤと呼ばれ断面が三角形になっている。これはカーブでの接地性を向上させるためでもある。また、競争車には各選手が愛称をつけることが出来る。7文字以内と決められており選手の個性が現れるところでもある。
まとめ
一般のバイクとの違いも含めてオートレースの競争車を解説したがびっくりすることもたくさんあったのでではないだろうか。スピード、そして公平性を保つために進化したオートレースの競争車はこれからどんな進化を見せてくれるのか楽しみだ。