五輪への調整に影響も
この件について、日本陸連は明確な答えを出していない。が、五輪資格がないのだから、国内選考で選ばれても東京五輪に出場できないはずだ。そうなった選手が五輪に出場するにはどうしたらいいのか、二つの方法が予想される。
一つ目は最もシンプルな方法で、MGCの後にどこかのレースを走り、参加標準記録を突破すること。二つ目は、ワールドランキングによる五輪参加資格獲得である。
五輪参加資格に関わるワールドランキングは2019年1月1日以降の大会が対象となり、2020年6月3日付のランキングで五輪参加資格が得られるかどうか決まる。このランキングは、有効期間内に走ったレース中、ポイントが高い2レースのポイントの合算で決まる。この2レースはフルマラソンである必要はなく、一つがハーフマラソンであっても良い。
国際陸連は、東京五輪に出場するマラソン選手の人数を男女あわせて80人と想定している。そのうち、40人が参加標準記録突破者、40人がランキングによって選ばれると予想。ケニアやエチオピアなど長距離王国からは、かなりの数の選手が突破すると考えられるが、各国代表選手は男女とも最大3人ずつなので、このような計算になる。
ランキング方式では参加標準記録突破者らを除いたランキングを元に、上位40人ほどに五輪参加資格が与えられる予定。しかし、このランキングによる五輪参加資格獲得は、記録のような明確なラインが見えにくいのが難点。
MGCのタイムがあまりにも遅ければ、もう1回フルマラソンを走らなければならないだろうし、有効期間内にハーフマラソンを含め2レース以上走っていない場合も、再びレースを走る必要があるだろう。つまり、MGC終了時点で参加標準記録を突破していなければ、どこかでもう1レース走る可能性があるということだ。
参加標準記録方式での資格獲得を目指す場合は、確実にフルマラソンをもう1回走る必要があり、ランキング方式を目指す場合も必要に応じて再レースが必要になってくる。