粘る神奈川大、突き放せない東海大
6区は12・3キロ。終盤への流れをつくる区間である。
トップ東洋大は1年生浅井峻雅、2位神奈川大は2年生安田共貴、3位東海大は4年生国行麗生が任された。3キロ過ぎからこの3校の三つ巴が繰り広げられた。
その争いの終わりはあっという間に訪れた。5キロ過ぎ、この中で最も経験が少な東洋大の浅井が脱落。トップ争いは、東海大と神奈川大の2校の争いになった。
そして、連覇を諦めていない青山学院大が順位を上げていた。
青山学院大の6区は3大駅伝初出場の2年生竹石尚人。8キロ過ぎに東洋大をとらえ、3位に浮上した。
東海大、神奈川大のトップ争いは終盤まで続いていた。
繰り返しになるが、神奈川大には絶対的なエース鈴木健吾がいる。東海大からすれば、この6、7区でいかにリードを広げて最終8区にかかっていた。逆に神奈川大からすれば、いかの6、7区で粘れるか、だった。
その意味で言えば、この6区は神奈川大安田の勝ちだった。7区へのたすきリレーのトップは東海大の国行に譲ったが、1秒差の2位でつないだ。
いよいよ終盤の7、8区。戦前は東海大、青山学院大の2強の争いとみられていたが、前半は東洋大、駒沢大という、21世紀の大学駅伝界を牽引してきた2校がレースを引っ張り、関東の予選会トップながら優勝候補とまでは言えなかったが神奈川大が優勝争いの中心に躍り出た。
「まだまだ、何があるかわからない」。20年ぶりの頂点を狙う神奈川大の大後栄治監督は、高ぶる気持ちを抑えるように、慎重に話していた。