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日本が世界に誇るマラソン大会「東京マラソン」を解説

2017 7/10 10:25茶色野うさぎ
東京マラソン
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Photo by Khun Ta/Shutterstock.com

日本を代表する市民マラソン大会として発展を続ける東京マラソン。日本中のマラソン愛好家にとって夢のイベントとなっているが、競技者としてのランナーたちにとっても非常に重要な大会となっている。今回は、東京マラソンがどういう大会なのかを詳しく解説していく。

大規模市民マラソン大会としての東京マラソン

東京マラソンはもともと東京都で開催されていた「東京国際マラソン」「東京国際女子マラソン」「東京シティロードレース」という3つのマラソン大会を統合する形で、2007年に初めて開催された。
東京オリンピック構想のひとつの大きな目玉として構想され、市民参加型の巨大シティマラソンとしてニューヨーク、ボストン、ロンドンに匹敵する世界レベルのイベントとなっている。1回目となる2007年の大会では約3万人が参加、11回目となる2017年の大会では約3万6千人が参加している。

世界的ランナーも参加する東京マラソン

東京マラソンは市民マラソン大会ではあるが、エリートの部には世界のトップランナーが参加する。東京マラソンのコースは東京の観光名所を巡るように設定されてはいるものの、起伏や風の影響などもよく考慮されている。そのため国際陸上競技連盟が、世界記録を認定することができる優良なコースであるとして、ゴールドラベルを与えている。
また2013年には世界ランキングを集計するマラソンシリーズであるワールドマラソンメジャーズにも加入が認められ、名実ともに世界の主要なマラソン大会としての地位を確立。世界のトップランナーが続々と参加するようになっている。

2017年、さらに進化した東京マラソン

2017年2月に開催された東京マラソンではコース変更がなされ、さらなる進化をとげた東京マラソンをみることができた。全体的に平坦なコースへと変更し、終盤の細かいアップダウンがなくなったため、より好タイムが期待できる大会になったのだ。
これにより記録を狙う大物選手が多く参加、とくに注目されたのがケニア人ランナーで元世界記録保持者のキプサング選手。大会主催者サイドも世界記録を取ってほしいというのをはっきり示しており、世界記録ペースのペースメーカーを用意した。
結果としてキプサング選手は2時間3分58秒という高速タイムで優勝、日本国内では初めての2時間3分台となった。

オリンピック、世界陸上の代表選考も兼ねる東京マラソン

東京マラソンは日本の主要なマラソン大会として、日本代表を決める選考レースとしての顔も持っている。現在のマラソン代表は日本陸連が設定する代表選考レースの中から、タイムや順位、レース内容などを考慮して決定される。
福岡国際マラソン、別府大分毎日マラソン、びわ湖毎日マラソンと並んで、東京マラソンは男子の代表を決めるレースのひとつだ。2017年は8月に世界陸上を控えているため、世界陸上の代表決定が対象になる。
2月の東京マラソンでは、堅実な走りを維持した井上大仁選手が全体の8位、日本人トップとなる2時間8分22秒で完走、8月に開催される世界陸上の代表に名乗りを上げた。

日本マラソンに刺激を与えた東京マラソン

2017年2月のレースでは、世界記録を意識した高速のペースメーカーが用意された。これにより序盤からハイペースで進み、有力なアフリカ勢で先頭集団が形成されることになる。日本代表クラスの実力をもつ佐藤悠基選手も、ペースメーカーとして参加していたが、こちらは妥当なペースを刻み、日本人中心の第2集団を形成する。
日本人で唯一先頭集団で勝負しようと頑張ったのが設楽悠太選手。終盤力尽きて38キロ付近で日本人トップの座を譲るが、果敢に挑戦する姿は他の選手にも多くの刺激を与えた。世界で戦うためにはどれだけの準備が必要なのか、体感できたのは大きな収穫だろう。

まとめ

たくさんの市民ランナーが参加する東京マラソンの競技面にスポットをあてて紹介した。高速コースとして生まれ変わった東京マラソンでは、日本人の好タイムが出ることが待ち望まれている。8月の世界陸上も含めて、今後のマラソン界の動向に注目が集まっている。