競技を円滑に進める役割を担う審判員、補助員という仕事
100m走などにおけるタイム計測や着順判定、走り幅跳びや棒高跳びにおける記録の認定など、陸上競技の成績を最終的に判断するために審判員の存在は欠かせない。日本においては、B級、A級、S級の3種類の審判ランクがあり、それぞれ10年の経験と実績を積み、技能審査に合格した者が上級へと昇格する。
また、補助員は会場の設営やハードル、マットの準備など、競技の運営に欠かせない各種道具を準備する。競技によっては走り回って会場に不備がないか調べる必要性も出てくるため、体力のある人に向いている仕事とも言える。
アスリートの命とも言える、競技用アイテムを扱う業界を紹介
アスリートがトラック上でベストのパフォーマンスを発揮するためには、もちろんその肉体だけではままならない。
競技用のウェアやシューズなどにも細心のこだわりを持つ必要がある。それらを扱う媒体は、兆単位の売り上げを誇る世界的名声のあるスポーツ用品メーカーから、陸上用スポーツ用品を一手に担う小売店まで、実に多種多様だ。
その業界に携わるには、メーカーにて新たな用具を生み出す企画開発に関わる、選手個人個人に合った用具を提案して販売する小売店に従事する、その道にはさまざまなものがあると言えるだろう。
アスリートにとって必要不可欠な存在であるコーチの仕事
陸上競技のアスリートたちがトラック上でベストなパフォーマンスを発揮するためには、当然ながら自分1人の力では難しいものがある。普段の練習方法から本番の戦い方まで、さまざまな場面においてコーチという存在は非常に重要なものとなるだろう。
陸上競技を引退した人たちが実業団のコーチに就任する例はよくあるが、大学や専門学校でも授業においてコーチに関するイロハを学べる機会は存在する。そして卒業後は、実業団に限らず地域の陸上クラブや教育機関において子供たちに指導するという道もある。
アスリートを食事面で支えるプロである栄養士の仕事を紹介
近年、陸上競技のアスリートが良質なパフォーマンスを発揮するためには、肉体面だけでなく栄養面の「鍛錬」も重要となってきている。日々の食事が競技に大きな影響を及ぼすという考えのもと、国家資格でもある栄養士の役割がクローズアップされているのだ。
大学や専門学校など、指定の栄養士養成施設で学習した後に免許が交付され、試験を受けると管理栄養士の資格を得ることができる。その後は実業団チームなどに専属として雇われる道があり、効率よくエネルギーを摂取できるような毎日の献立を考え出すなど、栄養面においてさまざまなサポートをする。
アクシデント対応に必須となるアスレティックトレーナーの仕事とは
アスレティックトレーナーは国家資格ではないが、専属としてプロチームなどに帯同することの多い仕事だ。チームドクターやコーチとの緊密な連絡環境を整えており、アスリートがケガをした際に、その程度に応じて素早い応急処置や救急車の手配を行うことが主な任務となる。
さらに、普段の体調管理やコンディショニング維持の方法をレクチャーしたり、ケガの再発防止のためのテーピングのデモンストレーションも行う。ケガ対策のみならず、アスリートの健康管理全般をサポートする仕事と言えるだろう。
まとめ
実際の競技を円滑に進めるための仕事から、アスリートをさまざまな面で支える仕事まで、陸上競技に携わる方々の仕事には実に多種多様なものがある。
彼らの支えがあってこそ、アスリートが力強いパフォーマンスを発揮することができると言っても過言ではないだろう。