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女子マラソン歴代世界記録の推移 ティギスト・アセファが驚異の世界新

2023 9/27 06:00SPAIA編集部
ティギスト・アセファ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ベルリンマラソンでアセファが2時間11分53秒

ドイツのベルリンで9月24日に行われたベルリンマラソンで驚異の世界新記録が生まれた。女子のティギスト・アセファ(26=エチオピア)が2時間11分53秒で連覇。ブリジット・コスゲイ(29=ケニア)の従来の記録を2分11秒も更新するタイムだった。

日本歴代2位の2時間19分24秒の記録を持つ新谷仁美(35=積水化学)は2時間23分8秒で11位。男子は世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間2分42秒で同大会5度目の優勝を果たした。

世界に衝撃を走らせたアセファの世界新。女子マラソン歴代世界記録の推移は下の通りとなっている。

女子マラソン世界記録の推移

2001年ベルリンで世界新を叩き出した高橋尚子

歴代の世界最高記録保持者の中で、日本でも馴染み深いのがイングリッド・クリスチャンセン(ノルウェー)だろう。1982年の第1回大阪国際女子マラソンに出場し、1984年ロサンゼルス五輪では4位入賞。翌1985年のロンドンマラソンで2時間21分06秒の世界最高記録を樹立した。

クリスチャンセンの記録は長らく破られなかったが、初めて2時間20分に突入したのが1998年ロッテルダムマラソンのテグラ・ロルーペ(ケニア)だった。2時間20分47秒と13年ぶりに世界記録を塗り替えて優勝。さらに翌1999年のベルリンマラソンで自身の記録を4秒更新する2時間20分43秒の世界新を叩き出した。

世界で初めて2時間20分を突破したのが日本の高橋尚子だ。2001年9月30日のベルリンマラソン。前年のシドニー五輪で金メダルに輝いた高橋は序盤から独走し、2時間19分46秒で優勝した。この時点でマラソン7戦5勝。五輪金メダルに世界新記録と無敵の強さを誇った。

ラドクリフは2度の世界新記録樹立

高橋尚子の記録をわずか1週間後に更新したのがキャサリン・ヌデレバ(ケニア)。2001年のシカゴマラソンで2時間18分47秒と1分近く更新して優勝した。

2002年のシカゴマラソンではポーラ・ラドクリフ(イギリス)が2時間17分18秒で新記録。さらに翌2003年のロンドンマラソンではラドクリフが2時間15分25秒と一気に2分近く縮めた。

ラドクリフの記録はしばらく破られなかったが、2019年のシカゴマラソンでブリジット・コスゲイが更新。15分の壁を破り、2時間14分04秒という驚異的なタイムだった。

さらにアセファの激走で世界は11分台に突入。日本記録は2005年のベルリンマラソンで野口みずきがマークした2時間19分12秒と18年間も更新されておらず、世界との差は広がっている。

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