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陸上男子100m桐生祥秀が痛恨のフライング、「1回で失格」は厳しい?

2021 5/15 06:00富田明未
桐生祥秀Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

0秒068のフライングで失格

5月9日に国立競技場で行われた東京オリンピックのテストイベント「READY STEADY TOKYO-陸上競技」で男子100mに出場した桐生祥秀が、予選で0秒068のフライングにより失格となった。

4月29日の織田記念陸上では全体で3位の10秒30を記録し、「見つかった課題を克服して、パワーアップした走りを見せたい」と前日会見で意気込みを示していただけに悔しい結果となった。

決勝はアテネ五輪金メダリストのジャスティン・ガトリンが10秒24で優勝。多田修平が10秒26で2位、桐生と並んで日本歴代2位の9秒98の記録を持つ小池祐貴が10秒28で3位だった。決勝で桐生とガトリンの顔合わせが実現しなかったことは残念に思うファンも多いだろう。

2010年からフライングは1回で失格

フライング1回で失格というルールに改正されたのは2010年のことだ。

2002年までは、同一選手が2回フライングをすると失格になるルールだったが、2003年に1回目にフライングをした選手が誰であっても、2回目にフライングをした選手が失格というルールに変更された。

さらに2010年には、国際陸連(IFFA)が1回目のフライングで失格とルールを厳格化したのである。

改正理由については、競技時間を短縮させて時間内にテレビ中継を終了させたいスポンサーの都合によるものと指摘する声もある。また、2003年に改正されたルールでは、1回目にフライングした選手にペナルティがないと批判の声があったのも理由の一つだろう。

「1回のフライングで失格は厳しいのでは」という疑問の声があることも確かだが、ルールがある以上、適応する必要があるのは当然だ。

衝撃だったボルトの失格

2011年に行われた世界選手権大邱大会の男子100m決勝で、ウサイン・ボルトが不正スタートによって失格になったのを覚えている方も多いだろう。2010年に改正されたルールにより、1回目のフライングで失格となったのだ。

スタートは短距離選手にとって特に重要な部分。スタートによってレース結果は大きく左右される。フライングを犯したことで、次戦以降のプレッシャー増大や心理的影響も十分に考えられる。

桐生は「改善できるように練習していきたい」と話した。9秒97の日本記録を持つサニブラウン・アブデル・ハキームや小池とともに、桐生は東京五輪の参加標準記録10秒05を突破しているため、6月の日本選手権で3位以内に入れば五輪代表に決まる。走ることすらできなかった今回の悔しさを晴らすことができるか注目だ。

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