イタリア・セリエAで石川祐希と切磋琢磨
7月26日開幕のパリ五輪でバレーボール男子の日本代表「龍神NIPPON」は、頂点に立った1972年ミュンヘン五輪以来52年ぶりのメダル獲得を目指す。破竹の勢いで躍進するチームで主軸を担う存在に成長したのが、22歳のアウトサイドヒッター高橋藍だ。
世界のトップスターが集まるイタリア1部リーグ・セリエAで今季から新天地モンツァに所属し、身長188センチながらコースを打ち分ける巧みなアタックから強烈なサービスエース、ブロックや片手レシーブ、バックアタックまで縦横無尽の活躍を見せている。
日体大に在学しながらイタリアでプレーするのは3季目。8強入りした東京五輪にも出場している次世代のホープは、日本代表主将の石川祐希(ミラノ)とともにセリエAで切磋琢磨しながら腕を磨き、攻守に欠かせないチームのエース格となった。
フランス人のフィリップ・ブラン監督率いる日本代表でも中心選手となり、2023年6~7月のネーションズリーグでは3位決定戦で昨年の世界選手権覇者イタリアを3―2で破り、前身のワールドリーグを含めて初の銅メダルを獲得。
主要国際大会では1977年ワールドカップ(W杯)2位以来、46年ぶりのメダルとなる3位に入った。2023年9~10月のパリ五輪予選も勝ち抜き、自力では16年ぶりの五輪切符を獲得した。
自身のインスタでも飛躍の年を振り返り「2023年素晴らしい一年だった!泣いたり、笑ったり、飛んだり、バボちゃん投げたり。家族や仲間がいれば、どんなことだって乗り越えられる!それを2024年でも強くなって証明しようじゃないか!」とコメントした。
アタック決定率はセリエAでも12位
イタリア・セリエAの公式サイトによると、1月15日現在でアタック決定率は50.69%で12位にランク。スピードやパワーだけに頼らず、コースを打ち分けたり、ブロックに当ててポイントを取ったりする技術も高く、総得点でも14試合172得点で20位と堂々たる位置に付ける。
持ち前の守備力の高さに加え、個人技でジャンプサーブの力強さも増しており、サービスエースも16本で16位とリーグ上位につけている。
大手化粧品メーカーとも契約で人気拡大
小学2年の時に兄の影響で競技を始め、京都・東山高時代は3年時にエース兼主将として2020年全日本高校選手権(春高バレー)を初制覇。日本代表入りへの飛躍につなげた。
近年は米大リーグ大谷翔平(ドジャース)がグローバル契約している大手化粧品メーカーのコーセーともスポンサー契約を結んでおり、国内外で人気も拡大。高級ブランド、Dior(ディオール)のPR広告にも出演している。
ディオールに関連してはファッション誌の公式インタビューで2023年をひと言で「進化」と表現。「1人でイタリアに渡ってプレーするようになったことで、いろいろな選手に出会ったり、バレーボールに対する向き合い方やメンタルの部分を学んだりと、大人としても日々進化していっているのかなと感じている」とコメントした。
女性グラビア誌で有名な「anan」にもエース石川祐希とともにスペシャルエディションの表紙に登場。左の大砲・西田有志とともに「龍神NIPPON」を引っ張る2人の注目度の高さを証明する形になっている。名前の由来は野球好きの父がホームランの「ラン」から付けたという。2度目の祭典となるパリ五輪でもホームランをかっ飛ばすべく突き進む。
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