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コロナ原因で6月までテニスのツアーは中止へ 錦織圭は復帰に向けて順調に調整

2020 3/31 17:00中村光佑
イメージ画像ⒸDziurek/Shutterstock.com
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ⒸDziurek/Shutterstock.com

男女ともにツアー中止を決定

世界各地で新型コロナウイルスが蔓延する中、国際テニス連盟は少なくとも6月上旬まではATP・WTAのツアー中止を決定した。

当初は男子が4月下旬、女子が5月初めまでの中止となっていたが、とどまることを知らないコロナウイルスの影響で今回の決定へと至り、世界ランキングも凍結されることとなった。

特にヨーロッパでは破竹の勢いで感染者・死者ともに拡大しており、イタリアでは感染者が8万人を突破。フランスでも外出禁止の措置が講じられ、コロナウイルスのパンデミックが収束する気配はまだ見られない。

さらに、25日(水)には大会史上初、7月に開催予定であった東京五輪の延期が発表された。現状では特に国際テニス連盟やATP、WTAからアナウンスは出ていないが、五輪代表選考の日程が変動される可能性は十分にある。

ちなみに、延期の東京五輪の日程は確定されていないが、大会組織委員会の森喜朗会長は「6月か9月が有力」と述べたが、近々公式に声明を出すようだ。

全仏は延期へ ウィンブルドンは中止を検討

テニス界で最も懸念されていると言っても過言ではないのが四大大会への影響である。

毎年5月下旬の開催予定だった全仏オープンは、いち早く9月20日~10月4日への延期が決定された。もちろん妥当な判断なのだが、全仏オープンはフランステニス連盟が独断で延期を決めたため、ATP選手会員のポスピシル(カナダ)をはじめ一部の選手からは批判の声が上がっていた。おそらく、マスターズの大会がないことやレーバーカップがエキシビジョンマッチであることから、日程上最も影響が少ないとされる9月下旬が選ばれたのだろう。

加えて、こういった状況の中で動き出したのがウィンブルドンを主催するオールイングランドテニスクラブだ。無観客では開催をしないことを正式に発表し、延期もしくは中止も検討する姿勢を見せている。

ただし、芝のコートは元々試用期間が限られる上にメンテナンスも厳重に行われており、「延期は難しいのではないか」との意見も出た。対照的に全米オープンは未だコメントが出ていないが、今年度はすべての四大大会が無事に開催される保証はどこにもないと言える。

錦織圭は復帰へ向けて前進

コロナウイルス関連の暗いニュースが続く中、右ひじのケガからの復帰を目指す錦織圭は積極的に自身の公式アプリへフロリダでの練習風景をアップしている。

昨年のツアー離脱後に「改善しなければならない」と述べていたフォアハンドをメインに動画が多く投稿され、復帰へ向けて好調ぶりをアピールした。それほどSNSを頻繁に使用する錦織ではないが、コロナウイルスの蔓延で沈む日本を元気づけるための発信なのだろう。

今回のツアー中止により復帰の時期は遅れると思われる。しかし、ある意味身体のコンディションの整え直しやフォアハンド・サーブ強化への時間が確保でき、これからの更なる飛躍を遂げる上でのきっかけとなるかもしれない。

また、25日には「復帰した時に強くなって戻ってきたい」とメッセージ動画を投稿し、多くの反響を呼んだ。東京五輪については「中止ではなかったのでホッとした」と安堵の表情を見せた。

2020年度内に復帰できるかどうか不安な状況ではあるが、まずはコロナウイルスに負けず、復帰後伸び伸びとプレーする姿をファンは心待ちにしているだろう。

新型コロナウイルス感染拡大による影響まとめ