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禁じ手について知っておくと大相撲が10倍楽しくなる

2016 11/8 19:20
相撲
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Photo by J. Henning Buchholz / Shutterstock.com

大相撲の禁じ手=反則負けについてどんなものがあるか知りたい人も多いと思う。 今回はそんな大相撲の禁じ手について詳しく紹介する。

そもそも禁じ手とは

禁じ手とは、言い換えると反則ワザのことだ。禁手(きんて)とも呼ばれている。
相撲のルールには以下のように定義されている。「立合いまたは取り組み中にくりだすことを禁じられている行為で、禁じ手を用いた場合は反則負けとなる」
禁じ手を行ったかどうかは、行司や審判委員によって判定される。
実際の取組み中に禁じ手によって反則負けになることは滅多にない。見たことないがゆえに、禁じ手の存在もあまり知られていない。

禁じ手の種類

大相撲の取り組みにはどのような禁じ手があるのだろうか?
さっそく紹介する。禁じ手は8つだ。


(1)握りこぶしで殴ること。
(2)髪の毛を故意につかむこと。
(3)目またはみぞおちなどの急所を突くこと。
(4)両耳を同時に両手で張ること。
(5)前立褌(前袋)をつかみ、または横から指を入れて引くこと。
(6)ノドをつかむこと。
(7)胸、腹を蹴上げること。
(8)手の一指または二指を折り返すこと。

出典: 大相撲応援部

禁じ手のわかりにくいところを解説

大抵の禁じ手は、読んだだけでわかると思う。わかりにくいのは「前立褌(前袋)をつかみ、または横から指を入れて引くこと」と「手の一指または二指を折り返すこと」ではないだろうか。
まず、前立褌は「まえたてみつ」と読む。まわしの体の正面で縦になっている部分のことを指す。つまり、まわしの縦の部分を指でしっかり掴んで引くとアウトという意味だ。
次に「手の一指または二指を折り返すこと」だが、これは乱暴な言い方をすると、相手の指を関節と逆に曲げてしまうことだ。

禁じ手以外は何してもいいの?

禁じ手に明言されていないことは何でもしていいのだろうか?
たとえば、間接技を含むプロレス技や足を蹴るなどの行為は禁じ手には挙げられていない。さらに、2本の指の関節を逆に曲げることはアウトだが、3本ならしてもかまわないという解釈もできる。
実際に、大相撲の長い歴史の中では、決まり手とは思えない技をだした力士のいる。
舞の海が武蔵丸にプロレス技をかけて土をつけたり、朝青龍が稀勢の里に膝蹴りをしたことはあるのだ。さすがに、指を3本逆に曲げたという取り組みは過去にはない。

まとめ

禁じ手には正直言って「穴」がたくさんある。胸と腹以外は蹴ったりすることも可能なのだから、別にしてもいいのだ。関節技だってかけてもいいのだ。 しかし、その「穴」を利用して勝とうという力士はなかなかいない。相撲は結果だけでなく取り組み内容も評価されるスポーツ。真剣勝負だから、結果的に禁じ手に近いようなことはあっても、最初から狙ってする力士はいない。 国技である相撲を行う者としてのプライドが、禁じ手の「穴」を使って勝とうという気にさせないのだろう。


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