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【アメフト大学選手権】立命館“エンジョイ・フットボール”で狙う日本一、早稲田は関大に続いて関西勢撃破なるか

2024 11/29 11:19SPAIA編集部
立命館大QB竹田剛,立命館大パンサーズ提供
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立命館大パンサーズ提供

12月1日に大学選手権準決勝

アメリカンフットボールの全日本大学選手権準決勝で12月1日に大阪・ヤンマースタジアム長居で対戦する立命館大(関西1位)と早稲田大(関東2位)が28日に会見した。

立命館大は11月10日の関西学生リーグ最終戦で、先に優勝を決めていた関西学院大を24-14で撃破。6勝1敗で並んで両校優勝となった。

今年から全日本大学選手権は関東と関西から各3校、計12校出場するレギュレーションに変更。準々決勝で関西大(関西3位)を31-28で下した早稲田大と立命館大が準決勝で激突することになり、もう1試合は11月30日にスピアーズえどりくフィールドで法政大(関東1位)と関西学院大(関西2位)が対戦する。

立命館大・高橋健太郎監督は「スピード感とバランスの良いプレーヤーがいて完成度の高いチーム」と早稲田大の印象を吐露。リーグ戦では立命館大が13-24で関西大に敗れているだけに、警戒を強めた。

準決勝から1Qが12分から15分と長くなる。高橋監督は「15分は未知の領域なので、しっかり準備できるかが重要」とポイントを明かす。

また、早稲田大は2022年の甲子園ボウルに出場(関西学院大に17-34で敗戦)したが、立命館大は2015年(早稲田大に28-27で勝利)以来遠ざかっているため、「彼らの方が経験値が高い。関大戦を見ても気持ちが強かった。甲子園に出たいという思いの強さが勝負を分ける」と引き締まった表情で話した。

立命館大QB竹田剛「関学戦は楽しんでできた」

リーグ戦で関西大に敗れてから、アメフトを楽しむという原点に返った。高橋監督は「日本一にならなければいけないとプレッシャーを過剰にかけてしまった。関大戦以降は一瞬を楽しみながら、充実感のある時間を過ごそうと言っている」と打ち明ける。

QB竹田剛も「関大戦はヤバい、決めないとという重圧を背負いながらやっていた。関学戦は相手の雰囲気に呑まれず、楽しんでできた」と“エンジョイ・フットボール”が奏功していることを力説した。

竹田の兄は、今秋のプロ野球ドラフト会議でDeNAから1位指名された三菱重工Westの竹田祐投手。日本一を勝ち取ったチームに加わる兄に続いて、自らの右腕で日本一をつかみたい。まずは決勝の甲子園ボウル出場を決めるためにも早稲田大に負けるわけにはいかないのだ。

その思いは山嵜大央主将も同じ。「あとマックス2戦しかないんで1戦必勝で、早稲田に全力でぶつかるだけ」と目の前の戦いに集中する。そして、会見の最後に自ら切り出した。

「僕が小学校の頃、大阪ベンガルズに所属してて、中学生だった林大希さんがギラついててかっこいいなと思っていました。日大で日本一を達成された時も憧れていました」

林大希とは2017年の甲子園ボウルで1年生ながら大学日本一に輝いたQB。しかし、その後は2018年に起きた「悪質タックル問題」の影響やケガもあって再び日本一をつかむことはできなかった。現在は東海大でコーチを務めている。

「今年の春に東海大と練習試合があって、林大希さんと初めて喋ったんです。中学の時はギラついてたんですが、優しい目をしていました。その目を見て何かやり残したことがある、日本一を取れなかったことを悔いてるのではないかと感じたんです。僕は次の試合を勝ちきって甲子園で日本一になりたい」

もしかしたら、山嵜の思い過ごしかもしれない。それでも会見で自ら切り出すほど渇望している日本一への思いがあふれ出た言葉だった。

早稲田大RB安藤慶太郎「強い相手に勝たないと甲子園で勝てない」

一方、早稲田大の高岡勝監督は「高い壁を乗り越えられたのは自信につながっている」と関西大に勝った意義を強調。「これまで関西のチームとは甲子園でしか試合をできなかったが、立命館さん相手にどれだけ成長できるか楽しみ。思い切りチャレンジしたい」と関西勢連破に意欲を見せた。

1Qが15分と長くなることについては「いつもだったら終わりというところから、2019年も逆転されて力尽きた経験がある。メンタル的なタフネスが必要だと感じている」とポイントを挙げた。

RB安藤慶太郎は「フィジカルが強いし、スピードも速い」と立命館大に敬意を表した上で「関大さんという山を越えて、自信をつけて立命さんと試合をできるのは楽しみ」と目を輝かせる。「甲子園で勝つことが目標。そのためには強い相手に勝たないと甲子園で勝てない」と闘志を燃やした。

これまで甲子園ボウルでは立命館大と3度対戦しており、2002年(14-51)、2010年(21-48)、2015年(27-28)と3連敗。しかし、点差は戦うたびに縮まっている。今回はヤンマースタジアム長居での対戦だが、ついに逆転となるか注目だ。

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