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【戦国時代がきた】プレミアリーグで注目すべき監督に迫る!

2017 8/25 10:07dada
mourinho united
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稀代のカリスマ監督!ジョゼ・モウリーニョ

マンチェスター・ユナイテッドFC(以下、ユナイテッド)を指揮するのが、ジョゼ・モウリーニョ監督(以下、敬称略)だ。

元々通訳兼アシスタントコーチであった彼は、ポルトガルの著名クラブを渡り歩いた後、チェルシーFC(以下、チェルシー)で一気にその才能を爆発させた。後に物別れにしたチェルシーに、再び監督として戻ってきており見事タイトルを獲得している。
だが、如何せんモウリーニョは選手に多くを求める監督であり、攻撃的な選手にも徹底した守備貢献を求め、その所作に怠慢があれば容赦なくテクニカルエリアから怒鳴りつける。これによって長期政権になるかと思われた2回目のチェルシー指揮期間は、3シーズン目でチームを瓦解させてしまう形で幕を閉じ、疲れ果てた選手たちは一気にコンディションを落とした。
またモウリーニョは、メディアから選手を守るために記者からの際どいインタビューにはジョークを飛ばし、まるで自分に非があるように仕向けるということにも長けていた。

ユナイテッドの指揮は、恩師であるルイス・ファン・ハール氏の後任であるが、モウリーニョは自身の形を作り上げようとし、2017-18シーズンのユナイテッドのスタメン予想では、平均視聴190cmに迫るような顔ぶれが並んだ。

ポゼッションサッカーはプレミアでもジョゼップ・グアルディオラ

「ペップ」の愛称で親しまれるジョゼップ・グアルディオラ監督(以下、敬称略)は、マンチェスター・シティFC(以下、シティ)を指揮している。グアルディオラは前述のモウリーニョとよく比較されるカリスマ監督でもある。

グアルディオラは、選手時代そして監督でも素晴らしい時間をFCバルセロナ(以下、バルセロナ)で過ごした。バルセロナはこのグアルディオラの下で、平均ポゼッション率70%超えという記録を維持し続け、中盤で巧みにボールを支配した。3人の選手たちは常に三角形を描くように流動的に動き、短いショートパスを多用。じりじりと相手ゴールに迫り華麗に得点を重ねていった。

グアルディオラのこの方針は、後に指揮するFCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)やシティでも変わってはいない。常にボールを上手く扱うことのできる選手を愛用し、試合をコントロールしていく。
シティではジョン・ストーンズ選手を獲得するなど、守備陣にも徹底したパス回しへの参加を求める。就任1年目となった2016-17シーズンは、選手間での意思疎通に難が生じ、思ったような成績を出すことができなかったが、シーズン終了が近付くにつれ、少しずつ彼の志向は徹底されつつある。
特に、グアルディオラたっての希望でやってきたブラジルの至宝、ガブリエル・ジェズス選手の行く末も明るそうだ。

シティは豊富な資金力に加え、このグアルディオラが指揮をとるという大きなブランド力を手にした。 ただの金満クラブとは言わせない。歴史と伝統のある、本当に意味で強いクラブとなりつつある。

就任1年目奇跡の3バック!アントニオ・コンテ

アントニオ・コンテ監督(以下、敬称略)はチェルシーを指揮している。
以前にはユヴェントスFCやイタリア代表監督を経験しており、手堅い守備から繰り出されるカウンターを得意としていた。

モウリーニョ、そして期限付きでの監督となったフース・ヒディンク退任後、2016-17シーズンを迎えようとするチェルシーは、他のクラブに負けない名将の招聘を画策していた。それだけ前シーズンの出来は酷いものであり、チームを一新させられるビジョンを持つ監督を必要としていた。そこで選ばれたのがコンテだった。

コンテは就任当初は上手く勝ち点を得ることができず、すぐに解任説が浮上した。しかしそれを吹っ切ったようにイタリア代表監督時代から愛用する3バックシステムを導入すると、瞬く間に勝利を重ねていった。強く早く正確な攻撃と守備が流れるように機能し、見事そのシーズンのリーグを制した。

シーズン終了間際には、イタリアに残してきた家族をロンドンに迎えたことを公にしたため、これから益々チェルシーでの活躍が期待されている。プレミアリーグのクラブはいずれも強く、名将とされる監督も数多い。

就任1年目から、素晴らし過ぎるほどの成績を残したコンテ。彼にのしかかる重圧は大きいが、果たしてどうなるのだろうか。

まだまだ指揮続行!アーセン・ヴェンゲル

アーセナルFC(以下、アーセナル)で長期政権を築くアーセン・ヴェンゲル監督(以下、敬称略)は、2017年3月のバイエルン戦敗北後に解任説が浮上した。

これまでにも、幾度となく解任が取り沙汰されてきたのがヴェンゲルだ。2003-04シーズンの輝かしい栄光はすでに遠い日のことで、彼には大きなタイトルに恵まれない時間だけが重くのしかかり続けている。
前述のバイエルンにはトータルで10-2で敗北。さらにこのシーズン、最後の砦と守り続けてきたCL出場権獲得も逃しただけに、サポーターは彼の解任に向け「Wenger Out(ヴェンゲルアウト)」の言葉を掲げ、デモ活動を展開した。

だが、2017-18シーズンも彼の指揮は続行するとみられている。多くのタレントを慰留できるかどうかに黄色信号が灯ってはいるものの、アレクサンドル・ラカゼット選手らを獲得するなど、クラブは確かに未来へ歩み始めている。
ヴェンゲルはかねてより、「パス&ムーブ」といった連動性のある攻撃的なサッカーを標榜している。このスタイルを貫くには、タレントが欠かせないのだが、そのタレントを慰留するためにもタイトルの獲得が欠かせない。

ヴェンゲルの本当の正念場が近付いている。

プレミアでもやはりゲーゲンプレス!ユルゲン・クロップ

リヴァプールFC(以下、リヴァプール)を指揮しているのが、ユルゲン・クロップ監督(以下、敬称略)だ。

相思相愛だったボルシア・ドルトムントに別れを告げ、新たにリヴァプールを変えるべくやってきた。リヴァプールは、スティーブン・ジェラード選手、フェルナンド・トーレス選手やルイス・スアレス選手といった一流の選手を数多く揃えていたが、長らくタイトルには恵まれていない。
リーグタイトルにあと一歩というところに迫っても、やがてそのシーズンを支えた選手を引き抜かれ再び調整期間に入る。そんなシーズンを繰り返し過ごしてきた。

しかし、クロップがやってきてからのリヴァプールは、彼の徹底したゲーゲンプレスにより中盤で競り勝つ場面が増えた。前線にはフィリペ・コウチーニョ選手、ロベルト・フィルミーノ選手、サディオ・マネ選手(以下、敬称略)といったスピードとテクニックに長ける選手が控えており、彼らがスルスルとゴールに迫っていく。

1月にマネが負傷してからはその調子を一気に落とした印象を受けるが、シーズン終了間際にチーム全体が復調。4位でリーグをフィニッシュし、CL出場権を最終節でものにした。

2017-18シーズンに向けては、ASローマからモハメド・サラー選手をクラブ記録の約50億円(ボーナスで+10億円)という金額で獲得。やはり前線にスピード感のある選手を置き、中盤で苛烈にボールを奪うクロップの姿勢は変わらない。
この先のリヴァプールは、クロップとともに大きく変わるのかもしれない。