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クリスティアーノ・ロナウド「ホテル王」としてのもう一つの顔

2021 12/6 06:00中原康太
マンチェスター・ユナイテッドのクリスティアーノ・ロナウド,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

年収約132億円!植毛クリニックやホテルなど経営

クリスティアーノ・ロナウド(C.ロナウド)が「超一流」として活躍するのはサッカー界だけではない。SNSの総フォロワー数は5億人に達しており、知名度は世界一だ。

この広告価値を活かし、植毛クリニック「Insparya」を10店舗、ホテル「ペスターナCR7」、香水・靴・下着を販売する「CR7」、ジーンズを専門に取扱う「CR7デニム」など幅広く事業展開し、実業家としても超一流の評価を得ている。

これまでに稼ぎ出した生涯収入は1100億円以上ともいわれており、2020年6月~21年5月までのスポーツ選手の年収ランキングで1位の総合格闘技コナー・マクレガーの約198億円、2位のリオネル・メッシ(PSG)の約143億円に次ぐ、約132億円で3位にランクインしている。

米国誌フォーブスのランキング,ⒸSPAIA


年俸100億円以上を稼ぐトッププレイヤーは第2の人生についても見据えており、「人生はサッカーだけではない。もちろんサッカーは僕の大きな情熱であるにしても、将来についても考え始めなければならない。僕は将来を見ている。若い頃から、自分のホテルを持つことが夢だった」と語っている。

勢いが止まらないC.ロナウドのホテル事業投資

「洗練され活気に満ちたスポーティなライフスタイル」をコンセプトにブランディングされているペスターナCR7。現在、フンシャル(ポルトガル)・リスボン(ポルトガル)・マドリード(スペイン)・ニューヨーク(アメリカ)とオープンしており、マラケシュ(モロッコ)・パリ(フランス)・マンチェスター(イングランド)は建設予定となっている。つまり、今後は計7つのホテルを保有することになる。

ホテル事業投資は、母国ポルトガルに本社を構えるペスターナグループとの提携で2016年頃から始まった。ペスターナ側は世界一のインフルエンサーであるC.ロナウドの集客力を得ることができ、C.ロナウド側は既に4~5つ星ホテルを持つペステーナグループから経営のノウハウを得ることができるといった非常に魅力的な内容だ。

2023年にオープン予定のパリ店は総工費78億円をかけて最大規模210室の4つ星ホテルの建設を予定しており、同じく2023年にオープン予定のマンチェスター店は総工費約42億、カフェ、バー、ジムも完備した11階建て150部屋の都市型ホテルを予定している。

宿泊特典にも力を入れており、例えば出生地マデイラ島にあるフンシャルには、獲得したトロフィーやメダルが展示される『CR7ミュージアム』がある。

C.ロナウドのブランディングの本質

チームトレーニングとは別に徹底した食事制限やフィジカルトレーニングも行い、サッカー以外にも毎年欠かさない献血や、脳手術が必要な子どもや母国の癌センターへの資金提供など、社会貢献にも力を注いでいる。事実、2015年にNPO法人『DoSomething.org』が発表した「世界で最も慈善活動に貢献したアスリートランキング」では、第1位に輝いている。

このように試合以外で見せるC.ロナウドのプロ意識は、サッカーファンを魅了するだけでなく世界トップクラスの現役プレーヤーはもちろん、スポーツ界全体の模範にもなっている。

C.ロナウドのエネルギーの源は幼少時代に遡る。父は精神障害やアルコール依存症だったこともあり、母親が食べ盛りの5人兄弟を1人で養った。生活は貧しくサッカーも十分にできないような環境で育ったことがハングリー精神を生み、『世界で最も偉大なサッカー選手』になる原動力になったのだろう。

プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエAのすべてのトップリーグで得点王を獲得し、インスタグラムでは双子誕生に幸せに満ちた表情を浮かべるC.ロナウド。子供たちのためにも第2の人生への夢と挑戦は続く。

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