2012年から10年間プレー「毎日泣いてます」
Jリーグの浦和レッズを今季限りで退団するDF槙野智章(34)が17日、オンライン会見に出席した。
11月5日にクラブから契約満了を通達されたが、いまだに気持ちの整理がついておらず何度も涙を拭った退団会見。「通達された時にはまさか自分がという思いが正直ありました。毎日泣いてます。たかが10年かもしんないけど、僕にとって10年はすごい濃かった。大好きなクラブでずっといたかったし、このクラブで引退したかったなと思って」と言葉を詰まらせながら正直に胸の内を明かした。
広島県出身の槙野は、2006年にサンフレッチェ広島ユースからトップチームに昇格し、2010年12月にドイツ・ブンデスリーガの1.FCケルンに移籍。2012年からJリーグに復帰して10年間、浦和レッズでプレーした。
2011年に15位に低迷していたチームに持ち前の明るさと前向きさ、高い身体能力で風穴を開け、2015年J1ファーストステージや2016年セカンドステージ、同年ルヴァンカップ、2017年ACL、2018年天皇杯など数々のタイトルを獲得した。J1通算398試合45得点。Jリーグベストイレブンにも広島時代も含めて計3度輝いた。
いい時も悪い時も知るからこそレッズ愛は強かった。チームメイトにも恵まれた。「よく仲良し集団じゃダメだと言われるけど、仲良すぎるんですよね。ピッチから離れてもご飯行こうとか、ゴルフ行こうとか、すぐ集まるんです。10年前も今もそう。その中に自分もいられたのがすごい幸せです。それが今後できなくなるのは辛いですね」
2018年に結婚した女優の高梨臨夫人にも報告。結婚に至ったのも「1試合で2ゴールを決めたらデートしてほしい」と約束を取り付けて交際スタートしたからだった。全てはレッズから始まった。
「妻も家族も毎試合スタジアムに来て応援してくれてたんで。みんな大好きなんですよ、レッズが。そういう姿を見せられなくなるのは辛い」。様々な思い出が甦ったのだろう、槙野はまた涙を拭った。