長いコーチ生活で経験積み「チームに還元したいと思っていた」
J1セレッソ大阪の小菊昭雄新監督(46)がガンバ大阪との「大阪ダービー」を翌日に控えた27日、オンライン会見に出席した。
前日26日にレヴィー・クルピ監督(68)とマテルコーチ(70)が契約解除され、新監督に就任したばかり。1-5と大敗した25日の湘南戦後、契約解除を覚悟したクルピ監督から「万が一の時は今まで通り変わらず選手たちとの関係を築いて、思い切りぶつけてほしい」と言葉をかけられたという。森島寛晃社長から正式に監督交代を告げられたのは翌26日だった。
1998年からセレッソ大阪のU-15コーチを皮切りにスカウトや強化部課長、トップチームのコーチなどを歴任してきた小菊新監督は「コーチの期間が長かったので、その貴重な経験をどこかでチームに還元したいと思っていた。やるしかない、経験を還元するタイミングだと思った」と心境を明かした。
Jリーグ昇格以降23人目の監督
小菊新監督はセレッソが初めてJリーグに昇格した1995年以降で23人目の指揮官となる。これまでコーチとして10人以上の監督の下で帝王学を学んできた。
シーズン途中の監督交代は1996年(13位)、2001年(16位)、2003年(9位)、2004年(15位)、2006年(17位)、2007年(J2・5位)、2012年(14位)、2014年(17位)、2015年(J2・4位)に続いて10回目。そのうち3シーズンはJ1からJ2に陥落している。
セレッソは現在7勝9分け9敗の勝ち点30で、降格圏の17位・徳島と勝ち点7差と予断を許さない状況。新指揮官にいきなり結果が求められるのは言うまでもない。
いきなり大阪ダービー3連戦に「運命かな」
今後は28日に13位・ガンバ大阪とのリーグ第27節(パナソニックスタジアム吹田)を戦い、さらに9月1日にルヴァンカップ準々決勝第1戦(ヨドコウ桜スタジアム)、9月5日に同第2戦(パナソニックスタジアム吹田)と「大阪ダービー」3連戦が待っている。
「一番負けたくない相手として常に意識してきた。こういうタイミングでガンバと3連戦は深い縁を感じるし、運命かなという気持ち」
就任してわずか2日しかなかったが、練習では早くも「小菊イズム」を注入。「守備でハードワークできない選手は使わない。攻撃に長けた選手が守備を頑張るからこそチームは引き締まる。清武や坂元も今日の練習でハードワークしてくれた」と一定の手応えをつかんだ様子だ。
そのMF坂元達裕も「クルピ監督が責任を取って辞めたけど、責任は自分たちにもあると思っている。小菊監督からはもっと練習からケガを恐れずガツガツやろうと言われた。結果だけを求めてやっていく」と表情を引き締めた。
まずは大阪ダービー初戦で眼下の敵・ガンバ大阪を下し、少しでも勝ち点を積み上げたい。小菊新監督に課せられた使命はとてつもなく重い。
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