サッカークラブを立ち上げよう
サッカーが好きな人にとって、サッカーに関わる仕事に就きたいと思うのは何も不思議な事ではない。だが、実際のところ中々サッカーに関わる仕事に携わるのは難しい。それでも何かに携わりたいと思うのであれば、自分で立ち上げるのがいいと思う。
少年サッカークラブは、次世代のサッカー選手を育成できるかもしれないという楽しみもあるし、クラブ運営が本格的に軌道に乗るようになると経営についても携わっていくことができる。簡単な道のりではないが、少年サッカークラブを始めるのは、難易度が非常に高いというわけではない。やる気と根気をなくさずに情熱を持つことができれば、きっとすばらしいサッカークラブを生み出すことができるだろう。
コンセプトを決めよう
少年サッカークラブを立ち上げるためには、まずはその少年サッカークラブのチームコンセプトを決めなければいけない。
最終的なチームの雰囲気というのは、子供たちによって作られているものなのだが、そのチームの子供たちを募集するためには、立ち上げるサッカークラブがどのようなチームなのかを説明しなければならない。本気で上位を目指すチームを作るのか、初心者でも優しく教えて仲良くサッカーの楽しみを教えて九チームを作るのか、そのコンセプトの方針によって対象となる少年が変わってくる。
もちろん、強豪チームを作ることができれば最終的にはたくさんのメンバーを集めることができる。だが、ゼロから始めるときには、よっぽどの魅力がないと実力ある選手は獲得できない。
ホームを決定しよう
少年サッカークラブを立ち上げるためには、サッカーを練習する場所を作らなければならない。とはいえ、いくら少年サッカーと言えども、それなりに広いグラウンドが必要となる。有料のグラウンドもあるが、そうすると月々の会費が高くなってする。
できるだけ、安価に済ませたいのであれば学校のグラウンドを借りたり、市区町村の市民グラウンドを借りることで、無料であったり安く借りることができる。市区町村の市民グラウンドは、多くの場合住民登録さえしていれば利用することができるし、学校や市民グラウンドであればゴールなどを別途購入せずとも、そこのグラウンドにあることが多い。
もし、わけがあって住民登録をしていない場合は、知人にお願いしよう。
メンバー募集をしよう
どのようなチームにするのかを決定したら、いよいよ少年サッカークラブの要であるチームメイトを募集しよう。サッカークラブの立上げにおいて、このメンバー募集が最も大変で難しいといわれている。
最も簡単に、広く募集をかけたいのであれば市区町村や都道府県の応報誌などに掲載してもらうとよいだろう。少年サッカークラブは、ほとんどの場合、近隣の子供たちで構成されるものだ。公的な広報誌であれば、掲載費用も安価であったり、無料であったりすることがあるので、初期の段階では非常に役に立つ媒体だ。
また、並行してホームページなどを立ち上げても良いだが、こちらに関してはある程度軌道に乗ってからでもいいかもしれない。
また、サッカー好きの友人を介して話を広げてもらうのも良いと思う。
クラブを登録しよう
メンバーを募集すれば、最初からかなりの人数を確保できる場合もあるが、最初は数人という場合もある。初めてチームを立ち上げるのであれば、それくらいの参加人数でも不思議ではない。最初はサッカークラブというよりもサッカースクールに近いかもしれない。
ある程度人数が増えてきたらサッカークラブとして登録しよう。サッカークラブとして登録する場合は、日本サッカー協会に加盟申請する。参加クラブも多いことから、近くのチームと試合を組んでもらえる可能性も高くなる。現在U-12は8人制サッカーであることが多いので、年の近いチームで10人以上そろえることができれば、サッカークラブとして登録することも可能だ。
忘れてはならない保険登録
サッカークラブを立ち上げるにあたって、重要なものは保険に加入してなければいけないという事だ。
サッカークラブには、クラブで加入することができるスポーツ保険というものがある。練習中のけがや相手チームとの試合の際のけがなどを保証することがある。スポーツというのは、軽いものを含めると意外に事故が多いものだ。万が一のことが起こった時に、保険に入っていないという事であるとサッカークラブ時代の存続問題でもある。
また、教え子に適切な治療を施すお金を準備できなければ、最悪その子のサッカー人生にも影響を与えてしまう事になりかねない。スポーツ保険というのは、子供たちだけではなく、サッカークラブ自身も守ってくれる保険なのだ。
法人化をするべきか?
そもそもサッカークラブを立ち上げるにあたって、法人化すべきかどうか?という疑問があると思う。最初のうちは、無理に法人化する必要はないと思う。
最近は法人を立ち上げるのに費用がほとんどかからなくなったため、安価で立ち上げることも可能となったが、小規模のサッカークラブのうちは法人化のメリットはあまりない。申請の手間がかかるし、税金面でも優遇は少ないので軌道に乗るまでは個人事業主で問題ないだ。
ただし、ある程度少年サッカークラブの規模が大きくなっていき、年間で500万円以上の利益が出るようになってくると、個人事業主よりも法人化したほうが税金面での優遇を活用して節税することができるようになる。
よくある失敗例
サッカークラブの立上げと運営にあたって、良くある失敗というのが「理想を持ちすぎる」・「身の丈に合わない運営をしてしまう」という事だ。特にチームを強くしたいと願うほどその傾向が強くなるといわれている。サッカークラブを立ち上げる際には、何らかの理想がある。立ち上げたばっかりで、まだまだ実力がないのに厳しい練習を課してしまったり、強豪チームとの試合ばかり組もうとしてしまう。
選手のモチベーションを落としてしまうと、せっかく才能があってもその才能が芽吹かずにサッカーが嫌いになってしまう可能性がある。チームが弱くてもそれはそれで楽しみはたくさんある。サッカーが楽しいと思われるようなクラブ運営を目指してみよう。