スケートボードのアンドリュー・マクドナルドが3本とも70点台マーク
パリオリンピックのスケートボード男子パークが7日行われ、東京大会金メダルのキーガン・パーマー(オーストラリア)が優勝し、連覇を達成した。日本の永原悠路は予選で敗退し、15位に終わった。
パーマーは21歳、永原は19歳。女子パークで優勝したアリサ・トルー(オーストラリア)は14歳、銀メダルの開心那は15歳と十代も珍しくないスケートボードで、ひときわ異彩を放つ選手がいた。
予選3組に登場したダラス・オーバーホルツァー(南アフリカ)は49歳。転倒したこともあって予選を突破できず22位に終わったが、大きな歓声を浴びた。
続く予選4組には、さらに年上の51歳アンドリュー・マクドナルド(イギリス)が登場。3本とも70点台をマークし、18位に終わったもののネット上では称賛の声が相次いだ。
アメリカ出身のマクドナルドは1994年にプロ転向し、Xゲームズで活躍したレジェンド。3人の子供の父親でもあり、2018年に第一線から退いていたが、東京オリンピックを見て刺激を受け、父親のルーツであるイギリスからパリオリンピックに出場した。
国籍も年齢も全く違うアスリートが一堂に会して競い合うオリンピックで、マクドナルドは年齢が数字に過ぎないことを証明し、世界中を感動させた。
射撃混合エアピストルのユスフ・ディケチ、総合馬術団体の「初老ジャパン」
オリンピックはいつの時代も若手のニュースターを生み出す一方、パリでは“おじさん”の活躍も目立つ。
射撃混合エアピストルで銀メダルを獲得したユスフ・ディケチ(トルコ)は51歳。多くの選手はゴーグルなど特別な装備を着ける中、Tシャツを着ただけのシンプルな姿で出場し、オンラインゲームで装備に課金しないことに例えた「無課金おじさん」がSNSでトレンド入りした。
20代で憲兵隊に入って射撃の才能が開花し、2008年北京大会以来5大会連続のオリンピック出場。9歳の娘を持つ父親は1928年ロサンゼルスオリンピックにも意欲を示しているという。
総合馬術団体決勝で銅メダルに輝いた日本代表は全員、昭和生まれで、愛称は「初老ジャパン」。大岩義明(48)、戸本一真(41)、田中利幸(39)、北島隆三(38)が人馬一体となって、1932年ロサンゼルス大会で「バロン西」こと西竹一さんが金メダルに輝いて以来92年ぶりとなるメダルを獲得した。
女子も69歳ニー・シャーリエン、41歳・福島あゆみら出場
また、男性ではなく女性だが、卓球女子に出場したルクセンブルク代表のニー・シャーリエンは61歳。ルクセンブルクに帰化する前は中国代表として活躍し、パリ大会で自身6度目のオリンピック出場を果たした。今回は2回戦で敗れたものの、1回戦での勝利がオリンピックの史上最年長勝利としてギネス記録に認定された。
またパリ大会から新競技として実施されるブレイキンに出場する福島あゆみは41歳。3年前の世界選手権女王は9日から10日未明(日本時間)にかけて登場する。
何歳になっても夢を追い、輝き続けるアスリートの姿は、その裏側にある努力と苦労が多いほど見る者の胸を打つ。世界中を感動させるベテランたちの活躍に心から賛辞を贈りたい。
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