玉塚元一理事長「世界最高峰のリーグになる基盤を作る」
21日に開幕するNTTジャパンラグビーリーグワン2024-25の「開幕前メディアカンファレンス」が9日、東京都内で行われ、昨季優勝した東芝ブレイブルーパス東京のリーチ・マイケルらディビジョン1~3の選手らが出席した。
トップリーグからリーグワンとなって3年が経過。ワールドカップでの進撃もあってラグビー人気は上昇しており、昨季はディビジョン1~3で計114万人以上の総入場者数を記録した。5月26日に東京・国立競技場で行われたプレーオフトーナメント決勝には5万6486人が来場。手に汗握る展開の末、東芝ブレイブルーパス東京が埼玉パナソニックワイルドナイツとの激闘を制した。
冒頭で玉塚元一理事長は「4年目からの3シーズンはフェーズ2と位置付けており、世界最高峰のリーグになる基盤を作る」と抱負。その要素としてラグビーのレベルアップとリーグの事業規模拡大を挙げた。
「世界トップのフランスリーグの事業規模は600億円くらい。昨年のリーグワンは450億円。今シーズン、新たに3チーム(セコムラガッツ、ヤクルトレビンズ、LeRIRO福岡)が増え、試合数も増やす。500億円を超える規模になり、世界最高レベルに近付く」と見通しを語った。
スティーラーズに伝わり続ける大震災の記憶と絆
新シーズンを特別な思いで待つのがコベルコ神戸スティーラーズだ。2025年1月17日で阪神・淡路大震災からちょうど30年になる。会見に出席したSH日和佐篤は言った。
「1月17日で震災30年を迎えます。神戸の街としてもスティーラーズとしても特別な1年。あと2週間しっかり準備していい形で開幕を迎えたい」
自身も神戸市出身で震災当時は7歳だった。報徳学園高から法政大を経てサントリーに入社し、2018年に神戸製鋼へ移籍。震災を知らない選手も増える中、学生時代から見続けてきた故郷のチームで迎える30年の節目に何を思うのか。
1995年1月17日午前5時46分、当時は地震の少なかった関西を襲ったマグニチュード7.3の激震は、ラグビー日本選手権で大東文化大に大勝して7連覇を飾った2日後の神戸製鋼の選手たちにも容赦なかった。
灘浜グラウンドは液状化現象で練習どころではない。平尾誠二さんらラグビー部員は、がれき処理など復興に向けて奔走した。どうにか練習を再開して8連覇を目指したものの、全国社会人大会の準々決勝でサントリーと20-20で引き分け、トライ数の差で準決勝進出を逃した。無敵王者の連覇が途絶えた瞬間だった。
6000人以上の犠牲者を出した震災の記憶と、互いに助け合い、励まし合った絆は、ラグビーでパスをつなぐように、今のスティーラーズの選手たちにも伝えられている。
サッカーJリーグではヴィッセル神戸が連覇を果たした。次はスティーラーズの番だ。21日14時、静岡ブルーレヴズと戦う開幕戦のキックオフの笛は、新たな歴史を紡ぐ号砲となる。
【関連記事】
・【ラグビーリーグワン】2024-25ディビジョン1開幕カードと日程、今季から導入の試験実施ルールも
・第61回全国大学ラグビー選手権大会組み合わせトーナメント表 早稲田大は近畿大vs福岡工業大の勝者と初戦
・【大学ラグビー】帝京「第二の黄金期」はいつまで続くのか…来季は正念場?