ラグビーの国際ルールについて
ラグビー日本代表選手の中に外国人選手が沢山いることを不思議に思った方も多いかと思う。他のスポーツでも外国出身の選手が日本の国籍を取得して代表になって活躍しているが、ラグビーは日本国籍をもっていない外国人選手も条件に1つでもあてはまれば、日本代表になることができる。
1その国(地域)で本人が生まれた。
2両親または祖父母の内の一人がその国(地域)で生まれた。
3本人が36カ月以上継続してその国(地域)に居住している。
よって、日本ばかりでなく他の国にも、外国人の代表選手がいるのだ。
ラグビーの歴史的な背景
代表資格がなぜこのようになったのか諸説あるが、一説としてラグビーの発祥からの歴史をふまえて紹介する。
もともとイギリスで始まったラグビーだが、世界各地に広まった。イギリスの植民地だった国、関係の深かった国にも、イギリス人より伝わった。そして、オーストラリアやニュージーランドではラグビーが盛んになった。当然、広まった当初はイギリス人が代表の中心だった。そうすると国際試合で国籍で代表を選ぶと、力が偏ってしまう。
そこで、その国(地域)でプレーする選手から代表を選ぼうということになり、国際ルールとなった。
その国(地域)のためにのみ戦うのが代表選手
ラグビーの代表資格の条件について、先に触れたが、もう1つ条件がある。「ある国で代表選手に選ばれたら、他の国の代表にはなれない」というものだ。
つまり、日本代表として選ばれた外国人選手たちは、チャンスがあっても自分の国の代表にはなれないのだ。
母国の代表になることを捨て、日本の代表として覚悟を決めて、戦ってくれているのだ。国籍に関係なく、その国(地域)のために心を1つに。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の精神を感じる。
リオからオリンピック初!7人制ラグビー イギリスも1つのチームに
2016年に開催されるリオ五輪で、7人制のラグビーが初めて実施されることとなった。
イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域から構成されており、それぞれの代表がラグビーワールドカップにも出場しているが、オリンピックは国籍で戦うため、リオ五輪では、4つの地域を超えてイギリス国籍の選手の中から、イギリス代表が選ばれるそうだ。
ちなみに、6月までは本来の地域に分かれたまま活動し、7月に12名の最終メンバーが決まるそうだ。
リオデジャネイロ五輪 セブンズラグビーに伴い
2016年の、リオデジャネイロ五輪でから、7人制ラグビーが正式種目になり、代表資格のルールに新たに加わった。他国で代表になった選手でも、一度だけ代表チームを変更できるようになったのだ。
現在日本で活躍中のティム・ナナイ・ウィリアムズ(リコーブラックラムズ所属)選手は、サモア代表としてこの新ルールを適用している。4年に一度のオリンピック、母国の代表としてきっと活躍することだろう。
ラグビーは多様性をもつグローバルなスポーツといえる。
まとめ
ラグビーの歴史、伝統をみると荒々しく、肉体を酷使する反面、仲間や相手チームを尊重し、国籍や民族に関係なく心を一つにプレーする潔さのようなものを感じる。世界中で愛されるわけだ。