両レスラーの抗争は現在も激化中
東京・両国国技館を舞台に、今月14日(月・祝)に行われる新日本プロレス『KING OF PRO-WRESTLING』。この大会ではIWGPヘビー級選手権試合や、IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦など注目の一戦が組まれているが、それらに引けを取らない試合となりそうなのが獣神サンダー・ライガー対鈴木みのるのスペシャルシングルマッチだ。
来年1月4日、5日の東京ドーム大会で現役を引退することを表明しているライガーだが、先シリーズ中に鈴木との抗争が激化。9月16日の鹿児島大会ではラフプレーの末にマスクを剝ぎ取る暴挙に出た鈴木に対し、「お前は超えちゃいけないラインを超えた」、「俺も何するかわかんねえぞ」と怒りを爆発させていた。
そんな状況で行われた9月22日の『DESTRUCTION in KOBE』。怒りが頂点に達したライガーは、試合中自らマスクとコスチュームを剥ぎ取り、全身にペイントを施した「鬼神ライガー」に変貌。鈴木、レフェリーに毒霧を噴射し反則裁定が下るも、その後もバックステージまで鈴木を追い回すなど大暴れ。ますます遺恨が深まる中、先月24日に今回の一騎打ちが発表された。
カード発表後も両者は激しくやり合っており、今月7日の後楽園大会では鈴木がライガーの正体と思われる人物の名前を連呼。これに業を煮やしたライガーが、「両国の試合は殺し合いだ!」と宣言する一幕もあった。
ここまで続いてきた抗争がどのような結末となるのか、大きな注目を集めることは間違いない。
“禁断の姿”になったのは今回を含めて4度だけ
先述の試合で会場の度肝を抜いた「鬼神ライガー」は、通常時とは違い冷徹で狂気に満ちたファイトスタイルを繰り出す“禁断の姿”。今回を含めても、これまでに4試合でしかリング上に降臨していない。
・対グレート・ムタ(1996年10月20日)
対鈴木戦と同じ会場で行われたこの一戦。武藤敬司の“化身”グレート・ムタのラフプレーに苦しんだライガーだが、試合途中にマスクを破かれた際に鬼神ライガーが降臨。ムタがのけ反る隙に毒霧を浴びせ、「ホオォー!」という不気味な雄たけびを会場に響かせた。
その後、上半身のコスチュームも破り捨てた鬼神ライガーは、それまでの怒りをぶつけるかのようにラフファイトを展開。最終的には敗れたものの、観るものに非常に強烈なインパクトを与えている。
・対BADBOY非道(2006年3月30日)
かつて存在した団体『アパッチプロレス軍』の非道と激突したライガーだが、この試合では最初から鬼神ライガーの状態で入場。約10年ぶりの降臨ということもあり、頭にかぶっていたタオルを脱ぎ捨てた際には会場から驚きにも似た歓声が上がった。
ハサミやホッチキスを使った攻撃に加え、セコンド介入まで繰り出す非道に対し、鬼神ライガーは苦戦。しかし、隙をついた毒霧で流れを変えると、場外でのパイルドライバーやマイナスドライバーを用いた攻撃などで逆襲。最後は折り重なったパイプ椅子への垂直落下式ブレーンバスターを立て続けに非道に食らわせ勝利を収めた。
・対TAKAみちのく、タイチ(2012年6月16日)
対鈴木戦の前まで、直近の降臨例だったのがこの試合。タイガーマスクと共にこのタッグマッチに臨んだライガーは、タイチにマスクを破壊された際に鬼神ライガーに。
杭を打ち立てた長机にタイチを叩きつけ、真っ二つになった机をTAKAに投げつけるなど手のつけられない状態に。なお、試合後も降臨状態は続いていたが、タイガーマスクから受け取った新しいマスクを被った際に通常時に戻っている。
一騎打ち後の展開はどうなる?
今回の一騎打ちがどのような結果になるのか、また鬼神ライガーが再び降臨することがあるのかは分からない。
ただ、スペシャルシングルマッチが組まれたからには、どのような結果になろうとも、ここまで続いてきた遺恨には一応の決着がつくことが濃厚だろう。
ただ、もしも白黒がはっきりしなかった場合は、両者の抗争が来年の東京ドーム大会にまで絡むことも否定はできなくなる。そのため、14日の大一番は試合内容だけでなく、試合後のコメントにも要注目だ。