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オリンピックの出場資格とは?いったい誰が決めているの?

2020 2/19 17:00SPAIA編集部
新国立競技場ⒸStreetVJ/Shutterstock.com
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ⒸStreetVJ/Shutterstock.com

オリンピック憲章の規定

オリンピックの出場資格は、実はオリンピック憲章(2019年版)の「オリンピック競技大会への参加」の項目で定められている。次の文章は参加資格規定に関するオリンピック憲章の引用。

【Ⅱ-40.オリンピック競技大会への参加 】
競技者、チーム役員、その他のチームスタッフはオリンピック競技大会に参加するため、IOCの定めた参加条件を含め、オリンピック憲章および世界アンチ・ドーピング規程を遵守しなければならず、IOCの承認する関係IFの規則を遵守しなければならない。さらに競技者、チーム役員、その他のチームスタッフは所属NOCにより参加登録申請されるものとする。

【Ⅱ-41. 競技者の国籍】
1. オリンピック競技大会に出場する競技者は、参加登録申請を行うNOCの国の国民でなければならない。

2. 競技者がオリンピック競技大会でどの国の代表として出場するのかを決定することに関わる問題は、すべてIOC理事会が解決するものとする。

【Ⅱ-42.年齢制限】
オリンピック競技大会では競技者の年齢制限はない。ただし、IFが競技規則でそれを定め、IOC理事会により承認されている場合は、その限りではない。

他にも細則で定められる規定があるが出場資格の大枠としては以下の3つになる。

①NOC(国内オリンピック委員会)から参加登録申請されること
②参加登録申請を行うNOCが設置された国の国籍を有していること
③年齢制限はない。ただし、各競技のIF(国際競技連盟)に年齢に関する規則が存在し、その規則がIOCによって承認されている場合はIFの規則にしたがうこと

ちなみに日本における最年少オリンピック出場者は、1936年にドイツで行われた冬季オリンピックに出場した、稲田悦子選手。当時小学6年生、わずか12歳で世界最高峰の大舞台に立っている。反対に最年長は、2012年のロンドン五輪に馬術代表として出場した法華津寛選手で、当時71歳だった。

競技を統括する団体が決めている

オリンピックに年齢制限はないというのが原則だが、細則では各国際競技連盟が、それぞれの競技独自の参加資格基準を設けるように定められている。たとえば水泳競技に関するルールは、国際水泳連盟が決定する。

全ての競技で年齢制限があるわけではないが、男子サッカーは、基本的に23歳以下。水泳や飛び込みでは15歳以上と定められている。新体操は16歳からで、体操は男子16歳以上、女子15歳以上だ。

なぜこのような制限があるのかというと、主に選手の健康面に配慮するためだ。身体がまだ出来上がっていない状態で過度な練習を繰り返すことは、ケガや故障につながりかねず、種目によっては大人の中に混じってプレーや演技すること自体が非常に危険な行為となるものもある。こうしたリスクを避けるため、年齢制限を設ける競技も少なくない。

開催国枠のない競技も

オリンピックを含むスポーツの国際大会においては、開催国の選手やチームが無条件に出場が認められる、開催国枠というものが存在する。2020年の東京オリンピックにおいても、バスケットボールやバレーボールなどで、開催国枠での出場が決定している。

しかし、この開催国枠、オリンピックで行われる全競技で存在しているわけではない。冬季オリンピックで開催されるフィギュアスケートには、開催国枠はない。陸上や水泳などの個人競技にも、開催国枠がないものや、あっても一定の条件をクリアしていなければ認められないというケースも珍しくない。

2020年の東京オリンピックに、開催国枠で出場する日本人選手の数は、すでに300人を超えていると言われている。多くの選手が晴れの舞台で、世界を相手に活躍してくれることを楽しみにしたい。