弓道の体験者が少ない訳は…
突然ですが、あなたは弓道を体験されたことがあるだろうか?
この質問に「イエス」と答えられる方は多くないだろう。
古武道の弓術から現在の武道へと発展した弓道だが、例えば柔道や剣道などと比べ、一般の方が体験できる機会は少ないのが現状である。
その理由は、何といっても気軽に弓道を体験できる施設や場所が少ないため。
お住まいの地域でも日常的に利用できる弓道場は稀だろうし、弓道部員でもなければ学校の弓道場を使用できることもそうそうない。
だが、弓道衣を身にまとって直立姿勢から弓を射るその姿には、凛々しさやどこか優雅な印象も受ける。
弓道のシーンを見て「一度体験してみたい」と思ったことがある方は、男女問わずいらっしゃるのではないだろうか。
この記事では、そんな憧れの弓道を初心者でも体験できる貴重なスポットを紹介していく。
弓道の初心者や未経験者も利用できる都内の弓道教室
区民体育館や公営のスポーツセンターのような施設では弓道場が併設されている所がある。
東京都内にもそういった施設が複数あるが、多くは経験者や有段者に限定されていたり、登録認定証が必要といった条件がついている。
ただし、初心者を対象にした体験教室を開催する公営施設ならある。
足立区の「千住スポーツ公園」には屋内弓道場が設置されており、16歳以上を対象とした弓道教室がある。
また文京区の教育の森公園内にある「文京スポーツセンター」でも高校生から65歳までの区内在住、または在勤、在学者に向けた初心者弓道教室が開催されている。
江東区にある「深川スポーツセンター」でも週に1回、夜間に弓道教室が行われている。
しかしこれらはいずれも春頃から2~3か月の期間を設けた教室となっている。本年度の開催は終了済みなので、希望者は来年の募集に応募する必要がある。
施設の一般利用は、弓具を持参できる経験者向けが多い
前述のような期間が設定された教室などではなく、もう少し自由な感覚で好きな時期に弓道を体験できる場もある。
都内だと例えば、旧芝離宮恩賜庭園にある弓道場や大田区の平和の森公園弓道場といった施設では一般利用で弓道を楽しむことができるが、
期間の定めがなかったり指導者がつかないことに加え、必要な道具類も個人で持参する必要がある。弓や矢を始め貸出しは一切行っていない。
初心者や未経験者で弓具一式を自分で持っている方はほとんどいないだろう。
つまり、こういった施設は基本的に経験者向けと考えた方が良さそうだ。
経験も道具もない方が、教室や道場への入会をせず好きな時期に弓道を体験するとなると、
アミューズメントやテーマパークなどでイベント的に行っている体験コーナーということになりそうである。
江戸ワンダーランドの弓道体験
観光地などにあるテーマパークでは、未経験者でも弓道を気軽に楽しめる体験コーナーを開催している所がある。
栃木県日光市の「江戸ワンダーランド」は、その名の通り江戸時代の町並みを再現したテーマパークで、
当時を思わせる芝居や遊具での遊びのほか、
江戸の職業体験や侍の体験、せんべい焼きの体験、そして弓道を体験できるプログラムが人気だ。
道場の中で行われる弓道体験は、映画「ラストサムライ」や「蒼き狼」などに出演した藤井康次さんの指導による本格的なもの。
充実した時間になること受けあいだ。
体験費用が無料なのも魅力である。
出典 日光江戸ワンダーランド 公式HP
梓想庵で鎌倉武士に思いを馳せる弓体験
神奈川県鎌倉市には「梓想庵(しそうあん)」という、鎌倉時代の装束や文化を再現したアミューズメントスポットがある。
すぐ近くでは、世界遺産の候補にも上がった「大仏切通し」を見ることもできる隠れた名所だ。
武家の古都、鎌倉で武士としての様々な体験ができ、和弓と竹矢を用いた人気の弓体験は庭の広いスペースで行われる。
鎌倉時代の道具を再現しているので現代の弓道とは多少異なる点もあるが、今まで全く弓に触れたことのない方でも親切に教えてくれる。
完全予約制となっているので、日程などは事前にお問い合わせ下さい。
出典 梓想庵 公式HP
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まとめ
弓道は、放たれた矢が人に命中した場合、致死に至る場合もある危険な種目だ。
それだけに適切な管理や指導は必須となり、安全配慮の面で初心者が自由に利用できる弓道場は乱立できない。
全国的にも、弓道場が他の武道やスポーツと併用されることはあまりなく、弓道場として独立している施設がほとんどだ。
ルールやマナーに対する注意喚起は徹底されているので、それらを守った上で弓道体験を楽しもう。