ごまかしの利かない力勝負
9月23日(祝・月)に船橋競馬場で行われるのは日本テレビ盃(JpnⅡ・ダ1800m)。11月に浦和で開催されるJBCクラシックの前哨戦だ。無傷の4連勝で3歳ダート王者の座を手にしたクリソベリルが古馬の壁も軽々と突破するのか、船橋コースの特徴も交えて検討していこう。
まずはレース展開や馬場傾向、コースの特徴といった点を分析していく。
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先行馬ばかりが来ているのは、中央馬4頭だけで先団を形成してくる年が多いから。直近の4年はサウンドトゥルーが差す競馬で馬券に絡んでいて、昨年は前半64.1という超スローペースでも3着まで追い上げた。
地方交流重賞かつ地方馬が手薄な中距離戦という性質上、実質少頭数のレースになるため、脚質の有利不利はほとんどない。ちなみに2016、2017年は前後半ともに62秒を超えているが、これはこの時期の船橋では年単位で時計のかかる馬場が続いていたことが原因。
今年は逃げたい馬がおらず、押し出されるようにヒラボクラターシュが先頭に立つか。2番手に何が来るかで受けるプレッシャーが異なるため、枠順の並びまで考慮して扱いを決めたい。
内枠不利のデータはあるが
過去10年の枠順別成績を見ると、勝ち馬は全て5~8枠から出ていることが分かる。対照的に1枠は一度も3着以内がなく、データ上、内枠は不利である。
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開催初日のため馬場傾向は予測困難だが、南関東の競馬場は内外で砂の軽さ(=有利さ)が全く違う状態になることも珍しくない。内枠不利というデータは参考程度にして、当日どこを走った馬が上位に来ているかを注視してほしい。
次に船橋コースの特徴を多少書いておく。一概に地方競馬=小回りというイメージを持たれる方がいるかもしれないが、船橋コースはコーナーにスパイラルカーブ(進入時の角度が緩く、スピードをあまり殺さずに回れる)を採用しているため、器用さはそれほど問われない。
逆にJBCクラシックが行われる浦和コースは器用さとスピードがものをいうため、ここでの結果が本番に直結するとは考えにくい。大まかに言えば、日本テレビ盃では大味でタフなタイプを、JBCクラシックではスピードがあって器用なタイプ、かつ内枠を買うべきだろう。
今年の3歳ダート路線のレベルは
南関東競馬ファンなら知っていることではあるだろうが、今年の南関牡馬クラシック路線は非常にレベルが高かった。東京ダービーは歴史的スローペースの結果、勝ち時計がかなり遅かったため世代レベルを疑問視されることもあるが、ミューチャリー、ウィンターフェル、ヒカリオーソの3頭を中心とした上位勢は交流重賞でも戦える力量を持っている。
そんな好メンバーにUAEダービー3着馬デルマルーヴルまでもがそろったJDDを楽勝したクリソベリルは古馬相手でもあっさり勝つ可能性が高い。ただし、単勝1倍台の人気になることが濃厚で、他の馬をどう絡めるかがポイントになるだろう。
相手で重視したいのはロンドンタウン。今年に入ってからは重賞で2連続好走。前走こそ大敗してしまったものの、先行馬全滅の流れを考えれば悲観することはない。
アポロケンタッキーは船橋巧者。スタミナはあるがズブくて不器用なタイプなので、浦和のJBCよりここが勝負というタイプだろう。ただ、最近はモマれるともろい面が強く出てきた。好走するには外枠がほしい。以下、展開次第では残り目がありそうなヒラボクラターシュは押さえておく。
大井に移籍してからの2走で結果が出ているノンコノユメだが、帝王賞は展開が向いた印象を受け、前走のサンタアニタトロフィーは最内が有利な馬場状態を生かせたことが大きかった。追い込み一手の馬なので、今回のような逃げ馬不在のレースで上位に食い込めるかとなると多少厳しいと読んで無印にした。
▽日本テレビ盃予想▽
◎クリソベリル
○ロンドンタウン
▲アポロケンタッキー
△ヒラボクラターシュ
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