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【セントライト記念】2度の大敗も評価は下がらず 東大HCの本命は配当妙味があるサトノルークス

本命に推されたサトノルークス
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

名手の逃げで後方勢に出番なし?

9月16日(祝・月)に中山競馬場で行われるのはセントライト記念(GⅡ・芝2200m)。菊花賞トライアルである伝統の3歳限定重賞だ。

青葉賞馬リオンリオンやデビューから3連勝のザダルなどが中心と見られるが、実績の抜けた馬は不在で混戦模様の一戦だ。この混戦を断って最後の一冠に名乗りを挙げるのはどの馬か、検討していこう。

まずはレース展開や馬場傾向、コースの特徴といった点を分析していく。

過去10年の前後半5Fと1から3着馬の脚質ⒸSPAIA

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昨年はジェネラーレウーノが2番手から押し切り。2015年にはキタサンブラックとミュゼエイリアンとで行った行ったの決着。コース形態もあるが、ほとんどの年で前半の方が遅くて、先行有利のレースである。

今年の想定逃げ馬はリオンリオン。前走は前半1000m57.8秒というハイペースになったが、G1初騎乗の横山武騎手だったこと、ハナを切るまでに勢いがつきやすい外枠だったこと、何より同日の東京競馬場が異常な高速馬場だったことが主因。

今回は先週の京成杯AHで見事な逃げ切りを決めた名手・横山典騎手に戻る。オーバーペースになることも極端に緩いペースになることもないだろう。中山競馬場のコーナーを利用して後続を封殺する逃げが打てる騎手だけに、差し追い込み馬は届かない可能性があり、少々割り引きたい。

真ん中よりやや内目の枠が○

当コースの枠順別成績を見ると3・4枠の連対率が非常に高く、真ん中よりやや内目の枠がベスト。それ以外は極端な差ではないものの、8枠は勝率と連対率が低く多少の減点材料になる。

過去3年の中山芝2200m枠番別成績ⒸSPAIA

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また、馬場傾向は開幕週、日本レコードが出るなど超の付く高速馬場だった。京成杯AHのように、基本的にはイン前有利の傾向だった。

週中に台風15号が直撃した影響もあって先週ほどの高速馬場にはならないだろうが、一気に外差しにシフトするとも考えづらい。展開面も含めてなるべく前目、内目で器用に立ち回れる馬に狙いを定めたい。

大敗はGⅠの壁というよりも…

先週は紫苑Sで推した本命馬パッシングスルーが勝利したものの、穴馬を狙ったはずがフタを開けてみれば2番人気。人気の読みを間違えてつまらない結果になってしまった。今週はより人気薄になりそうな馬を推奨したい。

本命はサトノルークス。皐月賞以前は4戦して3勝2着1回という実績だが、GⅠに挑戦した近2走は大敗が続いた。ただ、この2戦は内容を振り返ると着順ほど悲観するものではない。

まず、皐月賞は2番枠から控えめにスタートしたことでアドマイヤマーズ、ダノンキングリー、ファンタジストに次々と前に入られ後手に回る。その後は進路を探したのか外々に誘導した挙げ句、ペースアップした地点で仕掛けが遅れるような形になり、4角では外を回って大きな距離ロス。直線入り口で進路が塞がる場面もあり、正直ここまでうまく行かないことがあるのか、というレース内容で決して力負けではない。

続くダービーは前走を踏まえてか、スタートから強気に促して外の3番手を確保。ただ、前半57秒台というハイペースと当日の極端な高速・イン断然有利馬場を考えると、外の先行というのはあまりにも苦しいポジションだった。

このように直近の大敗はどちらも言い訳が利くもの。速い足というよりはしぶとさで勝負するタイプなので中山2200mは合いそうだし、鞍上が川田騎手に替わる点も非常に心強い。

対抗にはリオンリオン。大敗したダービーは結果的に完全なオーバーペースで止まっただけと、敗因ははっきりしている。母アゲヒバリの産駒らしく瞬発力に欠けるタイプなので、横山典騎手のペースメイクとセットでこその馬。鞍上が戻る今回は真価を発揮したい。

3番手はナイママを挙げておきたい。初の左回りだった東スポ杯の直線で、大きくヨレてしまった印象から右回りに変わるのは歓迎。それよりも、上がりの速い東京よりは中山というタイプだろう。春シーズンは京成杯からダービーまで4か月半で6戦という強行軍だっただけに、一息入ったことで良化する可能性は大きい。

以下、先行馬を中心にエングレーバー、ザダル、ルヴォルグ、ランフォザローゼスまでが△評価。

また、今回は芝経験という面で無印にしたが船橋から参戦するミューチャリーは、南関の生え抜き馬としてはここ数年で一番の器。将来的には交流重賞でJRA勢を相手に勝ち負けできる馬なのでぜひ覚えておいてほしい。

▽セントライト記念予想▽
◎サトノルークス
○リオンリオン
▲ナイママ
△エングレーバー
△ザダル
△ルヴォルグ
△ランフォザローゼス

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《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。