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【愛チャンピオンS】15日(日)の0時15分発走予定 前走インターナショナルS有利な傾向も狙うは別の馬

2019 9/13 17:00三木俊幸
2018年アイリッシュチャンピオンステークスⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

スピードとスタミナが求められるコース

アイルランド・レパーズタウン競馬場で9月14日(日本時間の15日0時15分発走)に行われるアイリッシュチャンピオンS(GⅠ・芝2000m)は、その翌日にフランス・パリロンシャン競馬場で行われるニエル賞やフォワ賞と並ぶ、凱旋門賞へ向けて最重要ステップレースの位置付け。また2000m路線を歩む馬にとっては、イギリスのチャンピオンSへ向けての重要な前哨戦でもある。

今年日本から参戦するディアドラは、5月からイギリスのニューマーケットに長期滞在している。前走のナッソーSでは見事GⅠ勝利するなど、勢いに乗り欧州3戦目のレースを迎える。日本でも馬券発売が行われる注目のアイリッシュチャンピオンSについて、馬場適性の観点から予想する。

左回りで1周が2800mのレパーズタウン競馬場。最終コーナーからゴールまでの直線距離は、約400m。向正面から最終コーナーに向かうまではおおむね平坦だが、最終コーナーの途中からは上り坂が始まり、残り200m過ぎからは更に勾配がきつくなる。そのため、スタミナが必要なコース形態となっている。また、これまでにディアドラが経験したアスコット競馬場やグッドウッド競馬場に比べ、スピードも求められる。

前走インターナショナルS組が好成績

過去5年の優勝馬について見てみよう。

過去5年のアイリッシュチャンピオンSの優勝馬ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

2015年にこのレースで勝利したゴールデンホーンは、その後、凱旋門賞で優勝。アルマンゾル、ロアリングライオンはイギリスのチャンピオンSを制するなど、そうそうたる馬が名を連ねている。

適性を占ううえで重要なカギとなるのがインターナショナルSだ。過去5年の優勝馬のうちアルマンゾル以外の4頭は、いずれもインターナショナルSからこのレースに参戦している。ヨーロッパの中でも特にスピードが要求されるヨーク競馬場での好走実績が、そのまま結果に繋がっていると考えられる。

アルマンゾルが勝利したギョームドルナーノ賞が行われるフランス・ドーヴィル競馬場は、過去にシーキングザパールがモーリス・ド・ゲスト賞を、タイキシャトルがジャック・ル・マロワ賞を勝利したことでも知られている。この競馬場もほぼ平坦でスピードが要求される馬場だ。

今回は負けられない一戦

今年の出走馬には、前走インターナショナルSからエラーカムが、ギョームドルナーノ賞からはヘッドマンの2頭が含まれている。

デビュー戦で1着、2走前のヨークSで1着、前走のインターナショナルSで3着しているエラーカムは、ヨーク競馬場を得意としている。スパッと切れる脚を持っているタイプではないが、ゴール前に坂があるレパーズタウンではプラスに働くのではないだろうか。

5月にニューバリー競馬場で行われた条件戦を勝利したヘッドマンは、フランスに遠征してウジェーヌアダム賞、ギョームドルナーノ賞と重賞2連勝中。今勢いに乗っている上がり馬だ。少し折り合いに難しい面を感じさせるが、後方からレースを進めるタイプで瞬発力に秀でている。過去5年のアイリッシュチャンピオンSで勝利した内、4頭が3歳馬と馬場適性だけでなくデータ的にも好相性。

他には、現在の欧州競馬においてトップと言っていい馬と接戦を繰り広げているマジカルだ。3走前のプリンスオブウェールズSでクリスタルオーシャンと我慢比べの結果2着となり、2走前のエクリプスSと前走のヨークシャーオークスではエネイブルを追い込んだものの2着だった。坂があるコースでスピードを要求されても問題ないマジカル。相手関係が楽な今回のレースでは、実績面を考えても勝たなければならない。

最後に、ディアドラについても触れておかなければならない。欧州初戦となったプリンスオブウェールズSでは、強力メンバーだった上に大雨の馬場が合わず6着に敗れたが、牝馬限定戦のナッソーSは、後方から追い込む見事なレースを見せた。今回もメンバーレベルは上がるが、前走同様に末脚にかけるレースで再び快挙達成の瞬間を見せて欲しい。

▽アイリッシュチャンピオンS予想▽
◎マジカル
○ヘッドマン
▲エラーカム
☆ディアドラ

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