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【小倉2歳S】今の小倉は前が有利 馬場傾向から導き出された本命馬は?

2019 8/30 11:00三木俊幸
イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

先週の結果からは先行馬有利

夏の小倉開催を締めくくるのが2歳重賞、小倉2歳S(GⅢ・芝1200m)だ。キャリアが浅いメンバーによる争いとなるだけに、とんでもない人気薄が馬券に絡んでくることもあり、2014年には15番人気のオーミアリスが勝利したのはインパクトが大きかった。

その一方で過去10年で1番人気が6回馬券に絡んでおり、このレース以前で強い勝ち方をみせた馬が好走することも多いという傾向が出ている。果たして今年のレースはどのような決着となるのだろうか。先週の馬場傾向、過去10年の上がりタイムと勝ちタイム、出走馬の適性から分析していく。

8/24・25小倉芝コースのレース傾向ⒸSPAIA

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8月24、25日に小倉競馬場で行われた芝のレースは合計15レース。そのうち小倉2歳Sと同じ芝1200m戦は7レースが行われた。タイム面では、別府特別(2勝クラス)で1:08.0というタイムがマークされており、特別速いわけではないものの、開催後半でも良好な状態を保っている。

勝ち馬の上がりタイムは平均すると34.9、1200mの平均は34.8。土曜日の2歳新馬では34.0という上がりがマークされるなど、開催前半よりも速い上がりが出る馬場だと言ってもいい。

脚質別の成績では、先行馬が10レースで勝利しており、先行馬が断然有利な馬場となっている。もちろん展開次第では差しが届くこともあり得るが、基本的には先行馬から組み立てた方がよさそうだ。

過去10年の平均の上がりは35秒台

続いて過去10年の小倉2歳Sで馬券に絡んだ馬の上がりタイムを見てみよう。

小倉2歳Sの過去10年の上がりⒸSPAIA

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小回りコース、2歳戦ということで33秒台の上がりを使った馬はいない。最速は2014年に追い込んで勝利したオーミアリスの34.3が最速となっている。しかし基本的には先行馬が有利な条件でもあり、1着平均が35.0、2着平均が35.2、3着平均も35.2というタイムが出ている。

小倉2歳Sの過去10年の勝ちタイムⒸSPAIA

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過去10年の勝ちタイムを見てみると、最も速かったのは2012年の1:07.9だったが、それ以外では7回が1:08台の決着となっており、今年の馬場を考えても同じようなタイムの決着となりそうだ。しかし、心配なのは週中から続いている雨予報。どのような馬場になるのか未知数な部分も多い。

雨ならトリプルエースが浮上

そうした中で今回ピックアップしたのは、以下の5頭。

小倉2歳Sに出走する馬の3着以内に好走したときのベストタイムと平均上がりⒸSPAIA

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ベストタイムではマイネルグリットの1:09.0が最も速いが、1200mでの上がりタイムではカイルアコナとヒバリの35.1が過去10年の勝ち馬の平均に最も近いタイムとなっている。総合力では、カイルアコナが一歩抜けている印象だ。

そのカイルアコナの新馬戦は、スタートして3番手を追走していたが、3コーナー過ぎでスピードの違いでハナに立ち、直線で後続を突き放すと、最後は0.7秒差をつけて圧勝だった。あの勝ち方を見ると素質はかなり高そう。控える競馬になったとしても対応できそうな感じがあり、素直に本命でいいだろう。

フェニックス賞組では勝ったマイネルグリット、3着のヒメサマを取り上げておく。マイネルグリットはレースセンスが高く、雨馬場になっても対応できそう。ヒメサマは未勝利戦のタイムが1:09.2、上がり34.7が優秀なので評価したい。ただこちらは小柄な馬なので、あまり雨は降らない方がいいかもしれない。

ヒバリはタイムが1:10.0と遅いが、道中7番手から差し切り勝ち。展開が向けばチャンスがありそうだ。トリプルエースは新馬戦のタイムが1:12.5と遅いが、阪神競馬場の稍重で34.4という上がりを使っているのが魅力的。雨馬場なら一気に浮上してくる存在だろう。

▽小倉2歳S予想▽
◎カイルアコナ
○マイネルグリット
▲トリプルエース
☆ヒメサマ
△ヒバリ

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