またもや「久々」のキーワードが…
関屋記念は馬券の目があったミエノサクシードとソーグリッタリングで決まったかと思った瞬間、外から飛んできたミッキーグローリーが勝利をさらっていった(自分視点)。ミッキーグローリーは関屋記念が今年緒戦。上半期に散々耳にした「休み明け」というキーワードが復活。頭が痛くなってきた。
今週は重賞が2つ。札幌ではGⅡ札幌記念が行われる。昨年は1着サングレーザー(スワンS1着など)、2着マカヒキ(日本ダービー1着など)、3着モズカッチャン(エリザベス女王杯1着など)。
過去にはネオリアリズム、モーリス、ヌヴォレコルト、ハープスター、ゴールドシップ、古くはファインモーション、エアグルーヴ、セイウンスカイなど、数多くのGI馬も出走している。このレースは夏競馬のメインイベントといって過言ではないだろう。
紐解けばこの札幌記念、ダートで施行されていた。さらにさかのぼると、左回りで行われていた時代もあったとか。毎年のようにGI級が出走してくる今では想像もつかないことである。
ともあれ、今年もここから始動する実績馬が登場。大物といえばハープスターとゴールドシップの一騎打ちが思い出されるが、実際に緒戦から実力を発揮できているのだろうか。
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GI級の有力馬がここから始動ということは、つまり前走はGIを走っていて、かつ間隔があいているというパターンが多いはず。結論はというと、中10週以上開いていても全く問題なし。また前走でGIを経由してきた馬の成績がよく、やはり実績馬が有利のデータが出ているようだ。
1番人気は信頼してよし
函館で行われた2013年を除いた過去11年、10回分のデータだが、1番人気が連対率8割と結果を残している。人気馬には逆らわない方が無難なようだ。
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また、前走で好走した馬の方が、馬券外の馬より成績がいい。過去の栄光より、現在進行形で結果を残している実績馬が狙いとなる。
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最後に脚質。逃げ、追い込み馬には厳しいデータ。極端な競馬しかできない馬は切っても問題ないだろう。
威風堂々、フィエールマン
穴狙いの人には面白くないデータがそろってしまった。
①使い詰めより休み明け
②前走でGIを走っている馬が断然
③1番人気の信頼度が抜群
④前走3着以内
⑤逃げ、追い込み馬は厳しい
となる。全く荒れないレースではないが、何せ1番人気が8連対。ただ、1番人気が連を外した2年はいずれも3連単が20万を超えている。それを期待して狙いにいくのも一つの手だが、データを使って予想している限りは、的中により近い方を選択する。
今年も豪華なメンバーがそろったが、1番人気が予想され、さらにほかの全てのデータも満たしたフィエールマンで文句なしだろう。キャリア6戦で菊花賞と天皇賞・春を勝って実績は文句なし。冒頭にも書いたが、今年前半のGⅠのトレンドは「久々」。まず来ないというデータを覆して天皇賞・春を勝ったフィエールマンがまさにそれ。この馬はデビューからの6戦、全て2か月以上開けてレースを使い、なおかつ結果を出している。目標がどこであろうと、常に全力を出すタイプ。この馬で予想を当てて上半期のトラウマを消し去りたいところだ。
③の1番人気以外を満たしたクロコスミア、ワグネリアンの2頭が相手。クロコスミアはとにかく意外性のある馬。滞在競馬にも実績を残しており、今回も人気の盲点になりそうだ。ワグネリアンは正直厳しいと思っていた大阪杯で3着と好走。父、母の父とも急逝した大種牡馬で、馬主はその2頭を所有していた金子氏。これが勝てばドラマになる。
人気馬からいく限りは絞っていきたい。というわけで、馬券はフィエールマンからクロコスミア、ワグネリアンへ馬連2500円ずつ。
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《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。