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【エルムS】ペース的に人気薄が台頭? 東大ホースメンクラブの本命馬はあの馬

本命に推されたサングラスⒸ明石智子
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Ⓒ明石智子

「丸っこい」コース形態

8月11日(日)に札幌競馬場で行われるエルムS(GⅢ・ダ1700m)は夏競馬では数少ない、中央で行われる古馬のダート重賞だ。秋のGⅠに向けてダート界の歴戦の雄がそろった印象だ。データを参照しつつ激走馬を発掘していきたい。

人口に膾炙した話ではあるが、札幌競馬場のコース形態として特徴的なのが、1角〜2角と3角〜4角が緩やかなカーブとなっている点だ。それ故に、同じくカーブが緩やかなため器用さがあまり問われない東京コースを得意とする馬がよく走っている。一昨年と昨年にエルムSで好走したドリームキラリが好例で、この馬も東京ダート1400mや1600mとの相性が抜群である。

札幌ダ1700で勝利経験のある馬の東京ダ成績ⒸSPAIA

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上の表は過去2年の札幌ダート1700mで勝利経験のある馬が東京ダート1600m、1400mに出走した際の成績を示したものである。ともに好成績を収めていることが分かる。当レースのエルムSに限らず東京ダート巧者については、札幌ダート1700mで積極的に買いたい。

データ上は先行馬有利だが…

過去10年のエルムS(函館と新潟で施行された13年と09年を除く8回)で3角2番手以内だった馬は複勝率68%、複勝回収率176%を記録し、データ上は圧倒的に前有利と言える。

過去10年の札幌で行われたエルムSの3角通過順位別成績ⒸSPAIA

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しかし、今年のメンバー構成を見ると、ハナを取り、結果を残しているリアンヴェリテやドリームキラリ、更には果敢な逃げで芝重賞を制したマルターズアポジーなど、ハナを主張するであろう馬が多数いる。それ故に今年に限って言えば差し、追い込み馬の台頭もあるように思える。

マーチS出走馬に金脈あり!?

マーチS当日の中山ダートは特殊な馬場状態であり、ラチ沿いの馬場が悪く道中で外を回った馬の台頭が目立った。

3回中山2日目のダートレース枠番別成績ⒸSPAIA

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上の表は今年の3回中山2日目(マーチS当日)のダートレース枠番別成績である。参考レース数こそ少ないが複勝回収率を見て分かるように外枠の馬が台頭している。サトノティターンに関してはこのアドバンテージをフルに受けた形の勝利で、今回人気を背負うならば妙味に欠ける。

一方、テーオーエナジーはインの3番手を進んだことで馬場の不利を受ける形で失速。加えて、前走のアンタレスSはハイペースに巻き込まれる形となり凡走に終わった。大敗続きで人気を落とし馬券妙味が生まれた今回は狙ってみたい。

適性、展開面から浮上

本命はサングラス。昨年まで凡走続きだったものの、今年に入って東京でバレンタインSを制した。5着に終わったオアシスSでは、晴天続きでパサパサの状態となり追い込み馬が苦しい馬場状態の中、上がり3F最速で見せ場を作った。ハイペース必至のメンバーなら人気薄ながら3着以内があるのでは、という見立てだ。

対抗はテーオーエナジー。4歳世代のレベルの高さは周知の通り。前述したように前々走のマーチSではインが悪い馬場でラチ沿いを通り、前走はハイペースに巻き込まれる形となった。人気落ちが濃厚な今回は妙味十分ということで対抗評価。

3番手には、同じく4歳馬のグリム。1番人気が予想されるものの、交流重賞での好走がやや過剰に評価されている印象。オッズ妙味も踏まえて3番手評価とした。

4番手には、北海道ダート三冠に王手をかけているリアンヴェリテ。滞在競馬と相性が良いのか、函館で4戦4勝を記録しているが、今回はペースが速くなる懸念もあるため4番手評価とした。

今年重賞を制覇したサトノティターンだが、マーチS当日の中山ダートはインが悪く、その中で外々を回ってアドバンテージをフルに享受した。ささる癖があることも踏まえて、今回は危険な人気馬として、購入を見送りたい。

▽エルムS予想▽
◎サングラス
○テーオーエナジー
▲グリム
△リアンヴェリテ
消サトノティターン

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《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。