開幕週らしく先行馬が断然有利
気温が連日30度を超え、本格的な夏がやってきた。そうした中で今年の夏の小倉開催も開幕週から熱いレースが繰り広げられている。開催2週目となる8月4日(日)にはサマー2000シリーズの第3戦、小倉記念(GⅢ・芝2000m)が行われる。いつもと同じように、先週のレース傾向、過去10年の小倉記念の平均上がり、出走馬の適性から分析していく。
7月27、28日に小倉競馬場で行われた芝のレースは15レース。傾向は以下の通りとなっている。
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合計10レース行われた芝1200m戦の勝ちタイムを見てみると、日曜メインレースの佐世保Sの1:07.5が最も速かった。しかしそれ以外は1:08.0〜1:10.4まで開きがあり、開幕週らしいタイムではあるものの、極端な高速馬場ではないと言えるだろう。
勝ち馬の上がりを見ても、小回りコースということもあり、33秒台の馬は1頭もいない。平均の上がりも35.2とそれなりにかかっていることが見てとれる。脚質別では、佐世保Sを勝利したエイシンデネブが追い込んだ以外は、全て逃げ・先行馬が勝利しており、先行力が問われる馬場となっている。
過去10年で上がり35秒以上の勝ち馬は6頭
続いて、小倉記念の過去10年の上がりタイムはどうだったのか、先週の傾向と差は見られるのかを調べてみた。
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2018年のレースは、勝利したトリオンフが33.5、2着のサトノクロニクルが33.8と33秒台の上がりを使っているが、これは異例の速さだったと言える。それ以外の年を見ると、35秒以上の上がりを使った勝ち馬が6頭と、上がりがかかる傾向にあり、勝ち馬の平均上がりは35.1となっている。先週の平均が35.2だったことからも、過去10年の平均を信用してもいいと考える。
2着馬と3着馬の平均も、それぞれ35.0、35.4ということからも、馬券圏内に好走している時に使った上がりの平均が35秒台という馬を狙ってみるのが良さそうだ。
ノーブルマーズ本命も馬券は
今回ピックアップしたのは5頭。
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小倉記念に出走してくるだけあって、小回りコースで馬券圏内に絡んでいる際の上がり平均は想像以上に接近していた。そうした中で、過去10年の勝ち馬の平均上がり35.1というデータにぴったりと当てはまる馬がいた。それはノーブルマーズだ。
近走は思ったほど結果が出ていないが、2018年の宝塚記念で3着という実績がある。ベストな距離は2000mよりも長いレースかもしれないが、過去に2000mで1:58.6というタイムで好走していることからも、今の小倉の馬場であれば対応できるはず。
タニノフランケルは馬券圏内に好走した時の全体の平均上がりと、小回りコースでの平均上がりが34.9と全く同じ。つまり、上がりがかかる馬場で好走しているということだ。小倉コースでは(1,1,0,0)と相性が良く、他に何が何でも行きたそうな逃げ馬も見当たらないだけに、好走が期待できそうだ。
メールドグラースは、現在重賞連勝中で勢いに乗っている。新潟大賞典では33.0という上がりで勝利しているが、本来は前走の鳴尾記念を勝利した時のように上がりがかかる馬場を得意としている。ハンデ57.5kgが気になるが、軽視することはできない。
アイスストームは今年に入って着実に力をつけてきており、現在2連勝中。近走は直線の長いコースでの好走が目立つが、小回りコースにも対応できる器用さを兼ね備えているだけに、ハンデ54kgであれば勝利してもおかしくはないだろう。
最後にアイスバブル。小回りでの上がり平均は35.8と他馬よりも遅いが、小回り、良馬場という条件に限れば平均は35.2と隠れた注目馬。小倉実績も(1,1,0,0)と連対を外していない。ベタではあるが、ディープインパクト産駒で金子オーナーの所有馬ということもあり、追悼の念を込めて印を打つ。
▽小倉記念予想▽
◎ノーブルマーズ
○タニノフランケル
▲メールドグラース
☆アイスストーム
△アイスバブル
今回もサマーSPAIAシリーズなので予想は合計5000円での勝負となる。馬券は◎から流すと言いたいが、ノーブルマーズを軸として信頼できないのが正直なところ。今回は3連複BOXを各500円購入する。2週連続で的中と調子が上がってきただけに、3連勝を狙いたい。
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